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2月も半ばを過ぎ、毎年恒例の確定申告のシーズンまっただ中、税務署は年間で一番忙しい季節を迎えています。一方で、勤務先の年末調整で税額の調整が行われることが多いサラリーマンの方の中には、確定申告と聞いてもピンとこない人もいるかと思います。
勤務先の年末調整で税額の調整が終了しているサラリーマンでも、住宅ローンを使って住宅を購入したり、ある一定額以上の医療費を支払ったりしている場合、確定申告を行うことで、一年間に支払った税金の一部が戻ってきます。このことを知っている方は多いかと思いますが、確定申告で税金を取り戻せるのはこれらのケースに留まりません。
災害や泥棒などの被害にあって損失が出た人も、確定申告を行うことで税金の還付を受けることができます。これを所得税の「雑損控除」といい、所得税法の72条に「災害、盗難、横領による損失」を被った場合に、この控除が受けられると定められています。
雑損控除が受けられる損失の原因として国税庁が挙げているものは、(1)震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害、(2)火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害、(3)害虫などの生物による異常な災害、(4)盗難、(5)横領の5種類、生活に通常必要なものが損害を受けた場合が対象となります。
「自然現象の変異による災害」と言われると、大地震や洪水などの大きな災害をイメージすることが多いと思いますが、例えば、近くに落ちた雷が原因で家電製品が壊れた、寒さで水道が凍って使えなくなったなどのケース、窃盗未遂で結果的に何も盗られなかったけれども窓を壊されたケースなども対象になり得ます。
一方で、振り込め詐欺などの詐欺による損失は、この対象から外れているため、雑損控除は受けられません。所得税法で規定された「災害、盗難、横領による損失」は、本人の意志にかかわらず発生する損害であるのに対し、詐欺など被害の場合、騙されたという事実はあるものの、その損害は本人の意志で発生させてしまったという性格があるために、控除の対象から外されているものと思います。
本年の確定申告の期間は3月15日までですが、過去に発生した損害による税金還付のための申告はこの期間に限りません。また、所得税の控除は過去5年にさかのぼって受けることができます。過去に、今回挙げたような損害にあったことがある方は、ぜひ税務署に相談してみてください。
(参考)
国税庁「雑損控除」のホームページ
「確定申告」のホームページ
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文
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