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新型インフルエンザ再考

 明日、9月1日は防災の日。関東大震災の被害を記憶に留め、天災に対する対策を考えるために設定された日です。日本列島は複数の地殻プレートの接点に位置する地震国であり、かつ台風の通り道に存在します。それゆえ、天災というと、まず震災や風水害を思い浮かべる人が多いかと思います。

 これは、今に限ったことではなく、日本は、地震や台風で、多くの命が失われ続けてきたという長い歴史を持っています。それゆえ、日本文化のDNAには、震災、風水害の記憶が刻み込まれているのです。日本人であれば、大なり小なり震災や風水害の怖さを見せつけられながら、育っているのではないでしょうか。

 一方、ヨーロッパでは14世紀半ばに、今では考えられない規模で、多くの命が失われる大災害が人々を襲いました。伝染病(ペスト)の大流行(パンデミック)がそれです。当時の人口の3分の1が命を落としたと言われています。今の日本の人口規模で考えると4千万人もの命が短期間で失われたという計算ですから、これが西欧の文化に与えた影響が甚大なものであることは想像に難くありません。

 西欧では天災というと、まず伝染病を思い浮かべる人が多いと言われるのも当然のことと思います。日本文化のDNAに震災・風水害の記憶が刻み込まれているのと同様に、西欧文化のDNAには伝染病災害の記憶が刻み込まれていると言えるかと思います。日本は、島国ゆえの人の往来の少なさから、伝染病災害については歴史的に西欧に比べると少なかったと言えます。

 これらの文化的背景が、日本人の伝染病災害、すなわちパンデミックに対する感覚、そして対応をおかしくしている一因となっているのではないかと思います。経験が少ないことにより、情報を解釈するための手がかりがなく、正しい判断が難しくなるというリスク認知の問題(「バージンバイアス」と呼ばれます)が、日本社会に起きている可能性も否定できません。

 5月の連休前後、新型インフルエンザが、まだほとんど流行していないのに、マスコミは日々新型インフルエンザのニュースを大々的に取り上げ、街ではマスクをした人々の姿が多く見られました。店頭からマスクが消え、ネットオークションなどではマスクが高値で取引される状況が発生しました。一方、新型インフルエンザの発症数が急激に増えた今はどうかというと、町行く人々でマスクをしている人は決して多くはありません。

 子どもたちの夏休みが終わり、明日からは、学校ににぎやかな歓声が戻ってきます。子どもたちがインフルエンザに感染する機会が増えるということです。十分に注意するにこしたことはありません。暑い季節であるからといって油断はできないのです。

 8月21日、厚生労働省は、まだ夏の名残が十分に残っている気候であるにも関わらず、日本各地における客観的データをもとにインフルエンザシーズンへの突入を宣言しています。このインフルエンザとはH1N1型の新型インフルエンザのことです。新型インフルエンザへの罹患(りかん)リスクは、皆が大騒ぎをして、マスクが店頭から消えた連休前後よりも、今のほうが格段と高くなっています。専門家は、新型インフルエンザの流行のピークが10月にも来ると予想しています。

 新型インフルエンザのワクチンはまだ市場に出回っていません。現時点では、ワクチンによってインフルエンザを防ぐことはできないのです。また、専門家が言うように10月に流行のピークが来るのであれば、10月下旬に供給が始まるといわれるワクチンは間に合いません。一般市民として、マスク着用を始めとして、手洗い、うがいなど、現時点でもできるところから対策を行う必要性が出てきています。

 1968年に100万人の死亡者を出した、前回の新型インフルエンザパンデミックである香港インフルエンザ(H3N2)の流行から40年の時が流れています。明治時代の物理学者・随筆家である寺田寅彦が、関東大震災の際に残した名言「災害は忘れた頃にやってくる」という言葉は、インフルエンザパンデミックにおいてもどうやら本当のようです。彼はまた、災害について別の名言も残しています。「ものをこわがらなさ過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい」 彼が浅間山噴火災害の際に述べたこの言葉は、新型インフルエンザパンデミックという災害に対してもそのまま当てはまります。

 私たちが、流行期に突入したH1N1型の新型インフルエンザに対して今できることは、この新しいインフルエンザを「正当にこわがり」、マスク着用を始めとして、手洗い、うがいなどの「あたりまえの対策を(A)、バカにせずに(B)、ちゃんとやる(C)」という、感染対策のABCなのです。

セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利 康文

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