ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > セキュリティは単純な価格比較では選べない
インターネットの普及によって、「もの」の値段の比較が簡単にできるようになりました。当初、PC関連や家電製品の価格比較からスタートしたインターネット上の価格比較サイトは、いまや投資信託や外貨預金などの金融商品、資格取得の各種学校や葬儀などのサービス商品、そして生損保などの保険商品までもが価格比較できるようになり、人々の購買行動を左右する大きな力を持つようになってきています。
価格比較サイトの普及によって、「もの」を買う前には価格比較を行うのが当たり前になってきた昨今ですが、はたして「セキュリティ」や「安心」は価格比較を行える対象なのでしょうか? Z社製のテレビは、どこで購入したとしても、流通経路が違うだけで、Z社製のテレビであることに変わりはありません。購入する店によって、機能や性能が異なるということはないでしょう。
どこで買っても同じ品質のもの、すなわちPCや家電製品などの「工業製品」であれば、良いものを少しでも安くという意味で、価格比較は経済合理性に合致します。しかし、購入するものがサービスなど「工業製品」ではない場合、同じ商品名でも、サービス提供者ごとに提供する内容が異なるのが普通です。セキュリティ、安心を提供するというサービスについても、サービス提供者ごとに提供する内容は異なります。
皆さんは病院を選ぶ際に、A病院とB病院、どちらの方が良い機械を置いているかで選びますか? ましてや、A病院とB病院、どちらの方が安いかで選ぶ人も少ないかと思います。普通は、A病院とB病院、どちらに良い医療スタッフがいるかで選ばれるでしょう。そのために必死でネット検索したり、口コミを探したりもします。同じ病気に対する治療でも、医療スタッフの質によって結果が大きく違うことを知っているからです。
医療も広い観点ではセキュリティサービスの範疇に入ります。安心という観点に立つと、セキュリティサービスを提供する会社を選ぶセンスは、医療面から安心を提供する役割をしている病院を選ぶセンスと同じになります。セキュリティサービスを提供する会社を選ぶ際に必要な基準、それは「人」、そして人の集まりである「組織に蓄えられたノウハウ」なのです。工業製品を売る店を選ぶセンスとは異なるということを覚えておいて損はありません。
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利 康文
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