ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 人口減社会で「安心」を支える仕事を考える
皆さんは日々の「安心」に関わる職業として何を想像されますか? 救急搬送のたらい回しや、妊婦を受け入れる産婦人科の不足などの医療サービスの問題がニュースになることの多い昨今、「医師」を想像される方も多いかと思います。
厚生労働省の発表では、全国の医療施設で働いている医師の実質的な数は26万人程度となっています。厚生労働省は、昨年6月、この数が他国のケースと比較して、人口に対して少ないということを認めました。そして「安心と希望の医療確保ビジョン」を発表し、政策を実質的な医師数の増加に向けて方向転換しました。
健康面から個人の「安心」を守る役割の医師に対して、「官」の立場から治安面の「安心」を守る職業である警察官の数は約25万人、医師の実質的な数とほぼ同じす。また、民間の立場から社会の治安を守る役割を担っているのがセコムをはじめとする、民間セキュリティ産業です。現在ここで働く人々の数は50万人弱。警察官の数の約2倍です。現在、社会の「安心」は、警察官に加え、その倍の数の民間セキュリティ産業で働く人々の75万人で守っていると言えるのです。
日本の人口は2006年から減少トレンドに入っており、日本はこれからこの人口減を前提として社会のインフラを作っていかねばならない状況となっています。社会に特に大きな影響を及ぼすのは、生産年齢人口が急激に減少していくことです。2007年から10年ごとに概ね1割ずつ減り、50年後には、半減してしまうと言う恐るべき試算がなされています。
これまで、日本社会は、大なり小なり人口増を暗黙の前提にして成り立っていました。若い潤沢な労働力の供給があることを前提に回っている産業も少なくないのです。これから日本社会を襲う、急激な労働人口の減少が、産業界にこれまでにないインパクトを与えることは間違いありません。
人々の「安心」を守る仕事は、人の持つ本能に立脚したニーズがあるため、経済状況がどのように変化しようとも、世の中がどのようになろうとも、絶対に欠かせない仕事のひとつです。厚生労働省が、健康面の「安心」を守る役割である医師の数を増やす方向に政策転換したのに見ならい、社会の「安心」を守る役割を果たす人々の確保に何ができるかを考えなければならない状況になりつつあります。
(参考) 国立社会保障・人口問題研究所
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利 康文
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