その他安全 2019年07月10日

第286回 AEDの使い方を知っていますか?女性に使うときに知っておきたいこと

水辺のレジャーや旅行など、夏の計画を立てている方も多いのではないでしょうか。楽しい夏を満喫するなら、万が一のとき命を守る方法も学んでおきたいもの。
熱中症や溺水などで心肺が停止する事態に見舞われたとき、AEDの使用により、命を救えるかもしれません。
いざというとき、きちんと処置できるか不安になるのも無理はありません。もしものときに備えて、積極的に知識を身につけておきましょう!

2019.07.10更新


AEDとは、電極パッドを通じて心臓に電気ショックを与える小型の医療機器です。
何らかの理由で心臓が正しいリズムで脈打てなくなり、心臓のポンプ機能が果たせなくなる心室細動や心室頻拍が起きたときに使用します。
AEDが必要になる心室細動や心室頻拍は、誰にでも起こりうること。
心臓に持病などがない健康な人でも、AEDが必要な状況に陥ることがあります。
万が一のことが目の前で起きたとき、どのような順序で対応すればいいのでしょうか。
AEDについて知っておくべきポイントと、AEDの使い方をわかりやすくまとめます。

「誰もが知っておきたい!」AEDの重要性

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目の前で人が倒れて、心肺停止の状態だったら、急いで救急車を呼ぶまでは誰もが思いつく対応です。
救急車の到着までは、平均で約8分。(総務省消防庁平成30年消防白書より)
その間に胸骨圧迫などの心肺蘇生法(CPR)とAEDによる電気ショックを実施すると、救命率が高まることがわかっています。
消防庁が発表した統計によると、2019年において、119番通報のみで胸骨圧迫もAEDも使用されなかった方の1カ月後の生存率は9.4%。
119番通報後、胸骨圧迫による心臓マッサージを行なった方の1カ月後の生存率は16.6%、さらにAEDによる電気ショックも行った場合は53.5%の方が救命されています。

また、心室細動や心室頻拍などの不整脈が起きたとき、発生から1分経過するごとに助かる確率が7~10%低下すると言われています。

1分1秒でも早く、心肺蘇生とAEDを実施することが重要だということです。
ためらわずに救命措置ができるよう、私たちひとりひとりが知識を身につけておく必要があります。

心肺蘇生の基本とAEDの操作方法

倒れている人を見つけたときは、落ち着いて正しい手順で救命処置を行いましょう。 AEDだけではなく、心肺蘇生法を行うことが重要です。

<もしも倒れている人を見つけたら?>

倒れている人を発見したら、周囲の安全を確認してから近づき、次のように対応しましょう。

(1)反応の確認

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軽く両肩をたたいて「わかりますか?」などと声をかけ、反応を確かめます。
耳元で普通の声で呼びかけ、反応がなければ徐々に大きな声で呼びかけて、意識の確認をしましょう。

(2)応援を呼ぶ

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反応がないときは、「人が倒れています!誰か来てください」などと近くの人に助けを求めます。
人が来たら、「あなたは119番通報してください」「あなたはAEDを持ってきてください」などの指示を伝えましょう。

(3)呼吸の確認

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胸と胸部の動きを見て、普段どおりの呼吸をしているかを確認します。
長く観察していると救命が遅れますので、10秒以内で確認しましょう。
判断がつかない場合は、普段どおりの呼吸がないとして、対処します。

(4)AEDが到着するまで、心肺蘇生を実施

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胸が5cm沈み込むぐらいの強さで、1分間に100回から120回のテンポで30回、絶え間なく胸骨圧迫を行います。
その後できる場合は、あごを上向かせて気道を確保し、倒れている人の鼻をつまんで口から息を2回ゆっくりと吹き込みます。
「胸骨圧迫30回、人工呼吸2回」のサイクルを、AEDが到着するまで繰り返してください。周囲の人と協力して交代で行いましょう。

※注意:人工呼吸ができない場合は、胸骨圧迫だけでも効果があります。胸骨圧迫のみ絶え間なく続けてください。

(5)AEDを使用する

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電源を入れたら、音声ガイダンスの説明に従います。
「電極パッドを胸部の肌に貼る→電気ショックのボタンを押す」だけです。
電極パッドを貼る位置は、電極パッドに描かれたイラストを見ながら落ち着いて見定めましょう。
電気ショックが必要かどうかは、AEDが心電図を解析し、電気ショックが必要なときだけ電流が流れますので心配ありません。

電気ショックの指示があったときは、周囲の人に離れるように伝えてショックボタンを押します。

女性にもためらわないで!勇気をもってAEDを使おう

女性が傷病者の場合、服を脱がせることにためらい、AEDの使用が遅れてしまうことも考えられます。だからこそ、私たち女性が、AEDを使えるようになっておく必要があるのです。
配慮のため、周囲の人に協力を頼み、目隠しになる壁をつくってもらうといいでしょう。

また、妊婦さんの場合、胎児への影響なども考えて「AEDを使って大丈夫かな?」と心配になるかもしれません。まず母体を救うことが胎児を救うことになります。ためらわずAEDを使用してください。

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いつどこで、AEDが必要な事態に遭遇するかわかりません。
普段から意識してAEDがある場所を覚えておきましょう。
AEDは、駅や学校、デパートやスーパーなど、人が多く集まる場所にはたいてい備え付けられています。交番や駅、コンビニ、店舗、会社、マンションのエントランスなどにも設置するところが増えています。

また身近に備え付けることを検討されている方は、レンタルでAEDを設置できるサービスもおすすめです。
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