第2回 突然の事故や犯罪に冷静に対処する方法
こんにちは。
最近、突発的に起こる事故や犯罪のニュースをよく耳にします。「私は大丈夫」と過信することはできません。突発的な事故や事件は避けきれないこともあります。
そこで、防犯対策はもとより、もし、あなたがこのような犯罪に巻き込まれてしまったら...。被害を最小限に抑えるために、冷静に対処できるような知識を身につけておきましょう。
そして、これを機会に、あなたにも救える命があることも知っておいてください。
2008.8.8更新
第2回は、身につけておきたい突発的に起こる事故や犯罪に冷静に対処する方法についてご紹介します。
パニック時に役立つ「緊急時参照カード」
まず、女性が被害に遭いやすい犯罪の種類について知っておきましょう。
警察庁「平成19年の犯罪情勢」によると、女性の被害件数が最も多い犯罪は窃盗、次いで詐欺、暴行、傷害となっています。また、屋外では強姦といった卑劣な犯罪も多発しています。そして、最近では無差別殺傷といった犯罪も増えてきています。このように、あらゆる所で犯罪は発生しています。「自分は大丈夫」と考えることは決してできないのです。
このサイト「あんしんライフnavi」でも"通り魔対策"について紹介しているように、もし、あなたが突発的な犯罪に巻き込まれてしまったら、まずは自分の身を守るために、素早く立ち去ることが大切です。それでも、自分に被害が及んでしまうことも、考えられます。
あなたは、このような突発的な事件に巻き込まれてしまった時、誰に助けを求めるべきか、誰に連絡したらよいか、とっさに判断することができますか?パニックになってしまい、家族の連絡先が分からなくなってしまうこともあるでしょう。
そんなとき、役に立つのがこのサイトでご用意している『緊急時参照カード』です。このカードには、犯罪はもとより、災害などの緊急時に備えて、家族の連絡先や、合流場所などが記入できるほか、あなた自身が被害にあった場合に、周囲の人がこのカードを見ることにより、適切な場所へ連絡し、助けてくれる大切なツールとなるはずです。
この『緊急時参照カード』をお使いの場合、個人情報を含むことはもちろん、自分を守るための大切なものですから、スリやひったくりに遭わないように、十分に取り扱いに注意してください。
人の命を救うAED
日本では、病院外で年間2〜3万人(「非医療従事者によるAEDの使用のあり方検討会報告書(2004.07.01)」より)もの方々が心臓突然死によって命を落とすと言われています。心臓突然死の主な原因に、心筋の動きがバラバラになり、心臓のポンプ機能が失われる心室細動があります。心室細動は、発生から1分ごとに救命率が7〜10%下がるといわれ、いかに早く救命措置を行うかが、生死を分けることになります。
みなさんは"AED"という言葉を耳にしたことがあると思います。"AED"とは、「自動体外式除細動器」といわれるもので、人が急な心臓停止によって倒れたときに、心臓に電気ショックを与え、心肺の蘇生を促す装置です。AEDは、2004年7月より医療関係者でない一般の人が使用することが認められたもので、最近では駅や公共施設などに設置されるなど普及が進み、国内では約13万台(2007年12月現在・厚生労働科学研究調べ)が設置されているそうです。
"電気ショックを与える"と聞くと、扱うことを躊躇してしまうかも知れませんが、AEDは音声で使用手順を案内してくれるので、簡単に操作することができます。
AEDは、人工呼吸や胸骨圧迫(心臓マッサージ)と組み合わせることで、より効果を発揮します。ぜひこの機会に心肺蘇生法の流れを覚えてください。そして機会があれば、全国各地の消防本部で行われている応急手当講習会などに参加してみると、いざという時にきっと役に立つでしょう。
【CPR(心肺蘇生法)の概略】
- 人が倒れていたら、「大丈夫ですか」など声かけをして、"意識"があるか確認
- 119番通報し、AEDの準備をする
(もし、周囲に助けてくれる人がいる場合は、通報やAEDの準備をお願いする) - 気道を確保して、呼吸を確認する
- 人工呼吸をする(2回 )
- 胸骨圧迫(心臓マッサージ)をする(30回 )
※AEDの準備が完了するまで、4.と5.を交互に続ける -
AEDの音声ガイドに従って電気ショックを与える
※電気ショックが必要かどうかは、AEDの機器が判断するので、万が一心臓が動いている場合は、通電されません。
※意識が戻らない場合は、4.、5.を継続し、救急隊の到着を待つ
予測なく起こる事故や事件、いかに冷静に対処できるかが、自分の命を守るカギになります。
ぜひ『緊急時参照カード』を活用するとともに、防犯意識を持って日常生活を送ってください。
そして、あなたの助けを必要とする命に遭遇することがあることも忘れないでください。
どのような時も、"冷静な判断と対応"が大切なのです。
*上記は、取材時の心肺蘇生法(CPR)の手順です。2012年1月から、消防署では改正された「ガイドライン2010」に沿った手順で講習を行っていますので、こちらでご確認ください。