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日本史上最大の大火災があった日

 本日1月19日は、当時の江戸で日本史上最大級の大火災、明暦の大火があった日にあたります。今をさかのぼること約360年、明暦3年の1月18日から19日(今の暦では1657年3月2日から3日)にかけて、江戸城天守閣を始めとして当時の江戸の街を焼き尽くした大火災「明暦大火」が起こりました。

 明暦大火は、過去のコラムでも紹介したロンドン大火(1666年)、時をさかのぼったローマ大火(64年)と合わせて「世界三大大火」とも呼ばれる大火災災害であり、その名残は現代の東京にも残っています。

・三つの火災が同時に起こった
 明暦大火は、一つの火災ではなく、1月18日から19日にかけて同時多発的に発生し、広い範囲に延焼した三つの大規模火災の総称です。まず、最初の火の手が、18日の午後2時頃、本郷(現在、東京大学のある付近)からあがりました。次は19日の午前10時頃、最初の火元とはそんなに離れていない小石川(現在の後楽園・東京ドームの北側)で、最後は19日の夕刻(18時頃)に麹町(江戸城[現在の皇居]の西側)で、という形で連続して出火したのです。

・カラカラで大風、延焼による被害は甚大
 その時の江戸は、カラカラに乾燥し北西からの空っ風が吹き荒れていました。その大風にあおられて同時多発的に起こった火災が延焼、当時の街並みの6割を灰じんに帰した他、多くの神社仏閣、橋なども焼き尽くしてしまったそうです。死者は、諸説ありますが7〜10万人ほどと言われます。当時の江戸の人口、約100万人の1割ほどの命が失われた大災害でした。この時失われた命は、震災や戦災によらない火災のみによる被害では日本史上最大と言われています。

・地名にも残る事後の対策
 その後、時の政府である江戸幕府は、延焼を防いだり避難路を確保したりするための道路の拡張、橋の側には建物を作らない、武家屋敷や寺社、民家の移動などの街づくりによる対策、火消しや防火水そう、火の見櫓(ひのみやぐら)などの消防体制の整備、土壁や瓦屋根などの防火建築の推進など、さまざまな火災対策を行っています。

 今も残っている上野広小路などの広小路という地名は、火災延焼を防ぐための広い道を意味する言葉であり、また、東京で「住みたい街」の上位に名を連ねる吉祥寺は、明暦の大火の後、江戸城の側にあった吉祥寺を移転させる際に、その門前に住んでいた人々を移転させた場所として名づけられた地名なのだそうです。

・なぜ複数の火災が同時多発したのか?
 繰り返しとなりますが、明暦の大火は一つの火災ではなく、「時を同じく」して発生した三つの火災が燃え広がったものです。現在に生きる私たちは、この「時を同じく」という点に注意する必要があります。

 火が存在するためには、「燃えるモノ」、「酸素の供給」、「熱源(点火源)」の3つが必要です。明暦の大火では、カラカラに乾いた江戸の街並みが「燃えるモノ」、その時吹きすさんでいた空っ風が「酸素の供給」、ほぼ同時に火の手が上がった3つの火元が「熱源(点火源)」です。これらが重なったことから、異なる地点でたまたま起きた火事が、ともに延焼し大火災に至ったのです。

 仮に、火が起きても「燃えるモノ」や「酸素の供給」がないと、その火は存在し続けることができません。明暦の大火の鎮火は、人の手によるものではなく、当時吹きすさんでいた空っ風が止んだことによって「酸素の供給」が止まったことによるものが大きいのです。

・現代に生きる私たちが注意しなければならないこと
 毎年、冬のこの時期は、西高東低の気圧配置となります。大陸からの風が吹きすさび、太平洋側では空気が乾燥して、さまざまなものが燃えやすくなる時期にあたります。「酸素の供給」と「燃えるモノ」がある状態ということです。そこに「熱源(点火源)」があれば、同時多発的に火災が発生する可能性があるというのは、現在でも江戸の昔と変わりません。

 昔から人のいるところでは火は使われ、そしてどんなに気をつけたとしても、その火はある確率でコントロールできなって火災になっていました。明暦の大火で、異なる3カ所にあった火が、同時期にともに火災になったのは決して偶然ではありません。

 英語では「火」と「火災」は共にFireであり、両者は区別されていません。人のいるところに火あり、そして火災ありなのです。空気が乾燥するこの季節、火の元に十分に気をつけなければいけないのは、今も昔も同じなのです。

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セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文

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