西崎 隆志

フュージョン・アーキテクチャグループ

— 大学時代はどんな研究をしていましたか?

私は、画像認識を用いて会議などの対話シーンの自動撮影に取り組んでいました。これは、話者の動きに合わせてTV番組のような肩越しショットの撮影を行うものです。天井の魚眼カメラで人物を追跡し、PTZカメラを話者が画面に映るように制御した上で、顔検出と追跡処理で話者に自動追従させました。また、マイクで発話している人を判別し、自動的にカメラを切り替え、リアルタイム自動編集も試みました。

次の研究では、大量の小型カメラと小型マイクを設置して、キャリブレーション不要の人物追跡を試みました。これは、まず同一人物が複数のカメラにどのように映るのかを学習します。そして、あるカメラの指定領域に人物が映った際に、同時刻またはそれ以降に、他のカメラのどの領域を見れば追跡できるかを推定するというものです。就職後、IS研究所で画像処理の研究に携わった際に、学生時代に得られた知見が活かせたと思います。

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— 就職後の経歴を教えてください

私が最初に取り組んだ研究は、画像処理を用いた顔認証技術でした。当時は、まだ世間では顔認証の普及が進んでおらず、先進的な研究に携われたと感じています。この研究は数年後に、歩きながらでも顔認証ができる「ウォークスルー顔認証システム」として形になりました。その後は、人の顔の状態を推定する研究にも取り組みました。

画像処理のほかに、セコムの警備機器も含めた認証連携技術の研究にも携わりました。画像処理や認証連携技術は、今の研究にも活かされておりシステム全体を考慮した設計などに役立っています。また、実際の商品開発にも携わり、セコムが世に出す機器やシステムは信頼性が重要であること、それを実現するため厳しい評価が必要であることを学べました。

その後、現在の配属であるフュージョン・アーキテクチャグループに所属し、画像処理の研究成果を、効率よくプロトタイプシステムに組み込み、動作させるための開発手法や運用手法について研究しています。これらの手法は、研究成果をデモシステムや実証実験システム、実際の商品などに取り入れるためにとても重要なもので、取り組み甲斐があると感じています。


— 今はどんな研究をしていますか?

他のグループの研究成果である画像処理アルゴリズムを、通信やメモリ経由で結びつける連携基盤について研究しています。さまざまな特性の画像処理アルゴリズムの実装を連携させるために、どのような通信設計・実装が良いのか、また、アルゴリズムの実装を分散処理化するために、どのような設計や通信実装を採用すればよいのかなどを検討しています。
私は、研究成果のデモシステム化や商品化に関わってきたため、そのときの経験や知見がこの研究に活かされていると感じています。以前から研究する必要があり、やりたいと思っていた内容なので楽しく仕事ができています。


—普段の仕事や生活はどんな様子ですか?

裁量労働なので、自由なスタイルで働けるのが良いと思っています。私の場合、仕事の開始や終了の時刻、業務時間の長さは決めておらず、日によって異なります。仕事のキリが良いタイミングや、体調や気分が優れない場合、早めに退社することがあります。一方で調子が良いときや、業務の進捗によっては、少し遅くまで仕事をすることもあります。テレワークの日は、通勤がないため自由に使える時間が増えますが、仕事に集中できるように出勤する日よりも規則正しい生活を心がけています。
また、私は趣味が多いので、退勤後はほぼ毎日趣味に時間を割いています。ゲームなどで遊ぶこともあれば、プログラミングなど仕事にも活かせる趣味をすることもあります。