西村 拓真

ターゲット・ディテクショングループ

— 大学時代はどんな研究をしていましたか?

私は東北大学の情報科学研究科で、主にAIの研究をしていました。当時興味を持っていたのは、AIが何故その判断をしたのかの根拠を明らかにする解釈性の課題です。そのため「シミュレーテッドアニーリングによるニューラルネットワーク構造の最適化」というテーマに取り組みました。これは、より簡単な構造のニューラルネットワークが、解釈性に繋がるのではという考えを基にしています。この時の研究のモチベーションが、現在取り組んでいる研究に繋がっているため、大学時代の経験が活かせていると感じています。

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— 就職後の経歴を教えてください

入社後は、2カ月単位でさまざまな研究グループに所属して、短期の研究を行うという研修を行いました。分散機械学習の実装やレーダーによる電波の到来方向の推定、GIS(地理情報システム)を用いたサービスの検討など、大学時代の専門とは異なる分野の技術も学びました。様々な分野の技術に触れることができて研究員としてのレベルアップに繋がったと感じています。
またこの研修は、自分がセコムでやりたいことを見直すきっかけになり、自分の中の機械学習の解釈性の課題へのモチベーションを再確認できました。

現在は、画像から対象物を見つける技術や、機械学習を使う上で必要となる基盤技術の研究を行っている、ターゲット・ディテクショングループに所属しています。


— 今はどんな研究をしていますか?

今は「人が制御可能なAI」というテーマの研究をしています。今後、AIの活用先は更に多様な場面に広がることが予想されるため、それぞれの場面で最適な判断ができるように、AIを調整する必要があります。そこで、AIが人の意図したとおりの判断ができるように、人がAIを制御できる仕組みの実現を目指しています。
セコムでは、人の柔軟な判断力や機動力と、機械の定型的な動作を迅速に行う能力の長所を組み合わせた「マン・マシン・システム」という仕組みを、サービスに取り入れてきました。そのため人とAIの協調は、今後の新しいサービスにとって重要な要素だと思い、今の研究にやりがいを感じています。

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—普段の仕事や生活はどんな様子ですか?

黙々と研究に取り組む日もあれば、グループの方々とそれぞれの研究進捗に関してディスカッションする日もあります。出社する日もテレワークの日も、勤務時間は同じようなサイクルです。9時から仕事を始め、18時には終わらせるようにしています。ただし、自分でうまくバランスを取りながら働けるので、仕事の進捗やモチベーション次第で長めに仕事をすることもあります。また、始業と終業を早めて、趣味のサッカー観戦をするなど、プライベートにも時間を使っています。