香川 椋平

データプライバシーグループ

— 大学時代はどんな研究をしていましたか?

大学時代は、画像処理と機械学習の研究室に在籍していました。当時の私の研究テーマは、画像特徴量の高速検索のための構造を検討するというものです。データベースに登録されたベクトル集合から、入力されたクエリベクトルと距離が近いものを探索する最近傍探索問題を、いかに高速に解くかが課題でした。

今の研究はプライバシー保護技術なので、画像処理を使いませんが、時系列データやセンサーデータの前処理や確率など、共通する知識が多くあります。大学時代に学んだことも活かせるだけでなく、画像処理と異なる知識が新たな発想に繋がることもあります。

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— 就職後の経歴を教えてください

入社後1年間の研修を終えたあと、今も所属しているスマートコンピューティンググループに配属されました。このグループは、プライバシーを尊重したパーソナルデータ利用の研究に取り組んでいます。パーソナルデータは、個人の行動や生活スタイルを推測するための重要なデータです。これは、個人ごとにカスタマイズされた利便性の高いサービスの鍵になると期待されています。しかし、パーソナルデータは、プライバシーを侵害する可能性がある内容を含んでいるため扱いが難しいです。私は、サービスの魅力を高める方法と、データを提供することへの忌避感を減らす方法の両方の検討を続けてきました。


— 今はどんな研究をしていますか?

今は、家の中に設置したさまざまなIoTセンサを用いて、住人の状態を推定する試みを行っています。急病や転倒などの異常事態を検知したり、生活の質を向上したり、安全・安心・快適・便利なサービスに繋げられる技術を目指して研究中です。さらにプライバシーに関わるデータの適切な管理方法や、データ取得の同意のあり方などについても検討を進めています。独居の高齢者が増え続けている背景からも、社会の役に立つ技術になると思っています。
またプライバシー保護技術の向上のために「PWS CUP」にも参加しています。PWS CUPは、パーソナルデータを匿名加工する技術や、匿名加工されたデータを解析する技術を競う競技会です。個人の特定できないようにするだけでなく、二次利用のしやすいように加工する技術が求められるので、私の研究成果を発揮する良い機会だと思っています。毎年、多くの企業や大学のチームが参加する中、上位入賞できるようになっているので、技術の向上を実感しています。

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—普段の仕事や生活はどんな様子ですか?

出社する場合もテレワークの場合も、仕事の時間は日によって異なります。公共交通機関の混雑する時間を避けたり、都合に合わせて時間をずらせたりできるのが裁量労働制の利点だと思っています。仕事の内容は、一人で黙々と作業するほかに、他部署や他社の方との意見交換、大学の方との共同研究の打合せなどをすることもあります。テレワークの場合は、移動時間がないので仕事の時間は多めになります。
プライベートの時間は好きに過ごしていますが、興味のある技術を試すなど仕事と間接的に関係のありそうなこともしています。例えば、良く閲覧するサイトの自動化をするスクリプトなど、プログラミングに触れる機会が多いです。