安全なデータ構造COSEに関する鍵の指定方法が国際標準規格(RFC9679)として公開

2024年12月、IETF(Internet Engineering Task Force)から国際標準規格 RFC9679 が公開されました。この規格では、CBOR Object Signing and Encryption(COSE)形式のデータ構造に関する鍵の計算方法の定義について提案されており、セコムIS研究所の磯部主務研究員(現在、経済産業省に出向中)が中心となって執筆されました。

IETFは、インターネット技術の国際標準化団体として最も有名な組織です。磯部主務研究員は、これまでデジタルトラスト技術によるサービスシステムやプラットフォームの安全性・真正性の確立について研究しており、IETFでの標準化活動も研究の一環として取り組んできました。

デジタルデータの管理とその安全性確保はデジタル社会において重要な課題であり、関連する技術も常に進歩しています。COSEは、近年注目されている技術の一つです。データを安全にやり取りするための技術であり、データを小さく保ちながらも改ざんされないようにします。コロナワクチン接種証明書のデータ転送にも利用されています。

RFC9679は、COSE形式のデータを処理するプログラムにおいて、暗号処理する際の鍵の識別や選択を確実かつ容易にする方法を定義しています。たとえば、IoTデバイスのリモートアテステーション※1などでの利用が想定されます。

セコムIS研究所では、信頼できるIoTやコンピューティングプラットフォーム※2など、高信頼なサービスを実現するための技術研究を続けています。今回のような貢献を通じて安全な通信技術を広く社会に浸透させ、安全・安心な社会の実現に向けた研究を進めてまいります。

  • ※1 IoTデバイスのハードウェアやソフトウェアが適切なものか遠隔から確認するための技術
  • ※2 OSやハードウェアなど、ソフトウェアを実行するための環境を提供する基本的なシステム