IS研究所では、さまざまなシステムに対する攻撃対策技術の研究に取り組んでいます。この取り組みの一環として、2024年10月22日(火)から神戸で開催されたコンピュータセキュリティシンポジウム 2024(CSS 204)のデモンストレーションセッションに出展しました。本セッションでは、参加者が投票を行い優秀な発表が選出されます。IS研究所のデモンストレーションは、全51件の発表の中から選出され、最優秀デモンストレーション賞を受賞しました。
発表したデモンストレーションは、話者認識システムに対するなりすまし攻撃検知に関する技術です。話者認識システムは、音声情報を基に話者を特定する技術であり、スマートスピーカーなどに使われます。この技術には、録音音声を用いたなりすまし攻撃が容易に行われてしまうという問題があります。このため、話者認識を行う前に録音音声かどうかを判定してなりすまし攻撃を防ぐ研究が多く行われています。
現状では、実環境でなりすまし攻撃を検知するのは非常に困難です。実環境では音声に雑音が混じることが多く、これが検知精度を低下させる要因になります。そこで、学習時に雑音データを用いたデータ拡張を行うことで、雑音が含まれた音声でも高い検知精度を実現しました。この技術を実際のデモシステムとして公開し、多くの参加者に体験していただきました。
今後もIS研究所では、社会に変革をもたらす最先端の技術を活用し、サイバー攻撃対策に関する研究に取り組んでまいります。