ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 地域の安全を考え直す1週間 〜全国地域安全運動実施中〜
現在、全国地域安全運動が行われています。警察庁をはじめ全国防犯協会連合会、都道府県防犯協会などの地域安全に関係する諸団体が中心となって、毎年開催されています。
地域の安全活動をさらに強化すること、その相互連携を進め、安心して暮らせる地域社会の実現を図ろうというものです。期間は、今年も10月11日から20日までの10日間です。
今年の運動の重点は、子供と女性の犯罪被害防止、特殊詐欺の被害防止となっています。皆さんの中にも、地域での防犯活動に参画されている方も多いと思います。
2013年12月末時点における、自主防犯活動を行うボランティア団体の数は、全国で4万7084団体となっています。その総人数は、274万7268人にも上ります。警察官の人数が、29万人ですので、おおよそ10倍の人数といえます。
防犯ボランティアのパワーが犯罪を減らす
今年の運動の重点である、子供や女性の安全ですが、昨今の事件でも、誘拐や連れ去りにとどまらず、凶悪な事件に発展するケースも見られます。また、特殊詐欺は、高齢者を中心に被害が増大する傾向にあります。しかし、全体の傾向をみると、犯罪の件数は2002年をピークに大きく減少しています。これは、警察の活動強化もありますが、何といっても地域の防犯ボランティアの皆さんのパワーが効いたと言ってよいでしょう。
以前、このコラムでも書きましたが、防犯ボランティアが増えるに連れて、犯罪の件数がどんどん減少していったのは、紛れもない事実なのです。ニュースにはなりませんが、防犯ボランティアの皆さんの目が、犯罪を抑止している場合も多いのです。
防犯の考え方で、ルーティン・アクティビティ理論というのがあります。次の3つが成り立った時に犯罪は発生するという考え方です。一つ目は、犯罪者の存在。二つ目は犯罪のターゲット。三つ目は監視者の不在です。この中の、三つ目を成り立たせないための、防犯ボランティアの存在は大変重要なのです。
青も赤も犯罪抑止に効いている
青色回転灯を付けた防犯パトロールカーも、今でこそ珍しいものではなくなりました。右図は台数の推移ですが、2013年末時点で、全国で4万2501台が活躍しています。10年前は100台程度だったことを考えると、かなり増えています。また、1団体あたりの平均所有台数も4.6台まで増えています。
ある防犯ボランティア団体の代表の方にお話を伺うと、かつては、青パトは珍しく、車を蹴飛ばされたり、石を投げられたりしたということです。しかし今では、赤の回転灯の車と合わせて、青の回転灯の車も治安維持に大きく貢献しています。
終わりのない防犯活動を止まらせないために
今や、地域の安全を守っているのは、防犯ボランティアの皆さんであることは間違いありません。この活動は、たいへん息の長いもので、終わりが見えないというのも事実です。一度は活動をスタートさせたものの、うまく行かずに消滅してしまった団体も少なくありません。ある団体では、堅苦しく考えずに、散歩のついで、買い物のついでなどという形で、地域に目を配るという活動を続けているとのことです。
継続は力なりと言いますが、防犯活動が続いているところは、犯罪件数が減っているようです。しかしながら、最近の犯罪統計をみると、件数に下げ止まり感がみられる犯罪も出てきています。今回の全国地域安全運動を契機に、もう一度、地域の防犯について見直してみてはいかがでしょうか。
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セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
青色回転灯を付けた
防犯自動車の台数推移
(警察庁)
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