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6月にピークを迎える女性を狙った犯罪とは

 このところ、気温は確実に夏に向かっているようで、日中などは上着が不要になるようになりました。不思議と、気温が上がってくると、上がって欲しくない犯罪件数も右肩上がりになる傾向にあります。例年、1月は犯罪件数が少なく、夏にかけて増えていきます。
 昨年の刑法犯の場合、夏のピークは5月で、1月に比べて1.3倍でした。しかし、それ以上に倍率の高い犯罪があります。

街頭での強制わいせつは9割増し
 右の図は、月別の街頭における強制わいせつの認知件数を示しています。年初の寒い時期には、1日当たり8.5件でしたが、春になると増え出し、6月に15.9件とピークを迎えます。倍率にして1.9倍になります。先程の刑法犯の上昇率に比べてかなり大きい値となっています。つまり、他の犯罪と比べると、気温の上昇との関係が大きいということにもなります。

気温との関係は
 データ同士の関係を見る時に、相関係数という値を用いることがあります。この値が1に近いほど、両者のデータは関係性が強いという意味合いがあります。日本各地の月別平均気温を用いて、犯罪との相関係数を算出してみたところ、強制わいせつと平均気温の相関係数は0.88と極めて高い値となりました。一方、侵入盗と平均気温を見るとマイナス0.05でした。これは気温との関係が見られないことを示します。

 強制わいせつの被害者は、ほぼ全てが女性です。年齢別では、20歳未満の未成年が5割、20歳代が4割です。また、被害に遭う場所は、交通機関の車内での痴漢というイメージもありますが、それ以上に多いのは道路上です。時間帯は、夕方から深夜にかけての被害が多くなっています。
 仕事や学校などの帰り道は、特に注意してください。スマホの画面を注視していたり、ヘッドホンステレオで音楽を聞いていたりといった、周りに気を配っていない人はターゲットになりやすいと言われています。何気なくしている行動が、実は、狙われやすくしている可能性も少なくありません。ぜひ、避けるようにしていただきたいと思います。

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セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰

1日あたりの街頭での強制わいせつ(警察庁、2012年)

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(警察庁、2012年)



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