ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 夏の夜の忍び込み対策と節電
暑中お見舞い申し上げます。暦の上では明日は立秋、明日からは「残暑お見舞い」となりますが、実際には、ここ数週間が一年で一番暑い季節です。今年の夏は、熱中症などが多く発生しているようですが、皆さんの体調は大丈夫でしょうか。
夜、窓を開けて寝ていると泥棒を呼び寄せる
ご存じのように、日本では多くの地域で節電が呼び掛けられており、エアコンの設定温度を高めにしたり、夜はエアコンを使わずに休んだりしている方も多いかと思います。筆者の周りにも、夜、一昨年までは使っていたエアコンを使わずに、窓を開けて寝ているという方が少なからずいらっしゃいます。
建物の開口部には、「通行」「視認」「採光」「通風」の4つの役割があります。夏の夜、人が寝ている時に、窓に求められるのは通風の機能のみです。しかし、窓を開けるという行為は、窓に対して、通風のみならず通行の機能をも持たせてしまいます。そのため、夜に窓を開けて寝るという行為は、人が眠っている時を狙う「忍び込み」と呼ばれる泥棒を呼び寄せることにつながります。
窓から「招かざる客」を入れないために
夏の夜、風を取り入れるために開けた窓からの「忍び込み」を防ぐためには、窓の持つ「通風」機能のみを生かし、「通行」機能を制限する何らかの対策が必要となります。通行機能は必要なく、かつ視認の機能もある程度制限して良い窓であれば、面格子を取り付ける対策が有効となります。
窓の持つ「通行」や「視認」の機能を制限せずに、夜寝る時にだけ「通行」機能を制限するためには、ホームセンターなどで売っている「補助錠」が役に立ちます。補助錠は、もともとは、窓についているクレセント錠と併用し、ツーロックを実現するための道具です。
これらの補助錠のなかには、窓の開き度合いを途中でストップさせることができるものも多くあります。これらを使って、窓の開き度合いをコントロールし、人が入れないようにする訳です。一般的に、人は頭が入れない開口部からは入ることができないと言われています。これを目安に、補助錠を調整するとよいかと思います。
ほかに、「突っ張り棒」を使ったり、すずや防犯ブザーを工夫して使って侵入が分かるようにしたりなどの対策も考えられますが、これらは外されることもあるため、あくまでも状況に応じた牽制手段と思った方が良さそうです。
防犯、健康、節電のバランスを考えた対応を
また、夏の節電は、社会的観点からは、電力需要がピークを迎える昼過ぎに行うことが求められています。そのため、人々が寝静まるころの節電は、社会全体に対する貢献度合いとしては、昼間のそれと比べて、それほどは高くないことも意識しておいた方が良さそうです。
実際、夏でも戸締まりをきちんとし、必要に応じてエアコンを使って寝たとしても、それが電力使用状況を逼迫しない夜間である場合、社会全体に及ぼす影響はあまり大きくありません。熱帯夜なのに、節電のためだけに、窓を開けて暑いのを我慢しながら寝て、健康を損ねたり、忍び込みに狙われたりするリスクを増やすのは、あまり得策ではないということです。
節電が叫ばれる昨今ではありますが、夜間の電力供給余力についても意識し、防犯や健康面も含めて、バランス良く対応することが求められているのではないかと思います。
(参考)
・安心豆知識「窓の役割から防犯対策を考える 建築学の観点から」
・安心豆知識「暑さ対策と防犯対策を両立するには」
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文
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