ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 面格子に注意を 〜建物開口部の動線を断つ防犯〜
住宅に入りこむ泥棒は、「浴室の窓」から侵入するケースが少なからずあります。浴室の窓は、湿気がこもらないように開けられていることが多く、そこを狙われるのです。浴室の窓には面格子がついていることも多く、それで安心して開けっ放しで外出してしまうことも原因の一つでしょう。
面格子の固定方法は?
浴室の窓に設置されることの多い面格子は、どれほど防犯対策として有効なのでしょうか。面格子が、普通のネジで固定されていることが少なくありません。この場合、どこにでもある普通のドライバーで、簡単に取り外されてしまいます。異音が発生することもありません。
また、面格子自体がアルミなどの柔らかい素材でできていることが多く、力任せに壊すことも可能です。
面格子の点検を
浴室に限らず、ご自宅の窓に面格子が付いている場合、もう一度それを確認してください。外から普通のドライバーで外せるようになっている場合には、何らかの対策が必要になってきます。面格子を取り付けた会社に頼んで、外から外せない構造の面格子に交換してもらうのが良いのですが、コスト的に難しい場合は、最低限、面格子を固定しているネジを、普通のドライバーでは外せないようにしてください。世の中には、普通のドライバーでは緩めることのできない「特殊なネジ」も存在します。
素人でもできる面格子の対策
面格子を取り付けているネジを簡単に外せないようする、対策としては、普通のドライバーを使えないようにネジの頭に細工をする対策が考えられます。また、ネジの頭をドリルなどでつぶしてしまったり、金属によく付き、かつそれなりの強度が期待できるエポキシ樹脂のパテなどでカバーしたりする対策も考えられます。
しかし、ネジの頭をつぶしてしまう対策は、家のメンテナンスなどで面格子を外したい場合、それを難しくしてしまうので、十分に考えた後に行うことが必要となります。ネジの頭をカバーする対策は、侵入しようとする泥棒に対し、そのカバーを外す手間をかけさせ、時間稼ぎをする対策です。
浴室の窓は、その性質上、あえて人目の届かない見通しの悪い所に設けられる例が多いため、時間稼ぎをする対策があまり有効に働かないこともあります。見つかる恐れが少なければ、泥棒は時間を掛けてゆっくり作業をすれば良いからです。窓周りの対策は、状況をよく見て総合的に判断する必要があります。
面格子自体が弱い場合
面格子自体が弱い場合は、交換するしか手はありません。この場合、防犯仕様のCPマークが付いているものを選ぶと良いでしょう。その他の対策としては、浴室から他の部屋へ出入りする室内の扉にDIYで細工を施し、浴室側から開けることができないようにする対策が考えられます。この場合、ホームセキュリティと併用するとより効果的です。
窓の役割をもう一度よく考えよう
建物の開口部の役割には、「視認」「採光」「通風」「通行」の4つがありますが、浴室の窓に求められているものは、主に湿気を逃がすための「通風」、すなわち換気機能です。ご自宅を新築したり、リフォームしたりする場合には、面格子を取り付けるだけでなく、窓の大きさや位置を工夫することで、その窓から「通行」の機能を取り去る工夫をぜひ考えてみてください。
マンションなどの場合、浴室の換気については換気扇のみで行い、明かりも電灯だけで窓を設けない例が多くあります。窓を設けないことで、そこから侵入されるリスクはなくなります。自らの生活スタイルを考え、通行可能な開口部を減らすことで泥棒被害のリスクを低く抑えることができることを覚えておきましょう。
(参考)
・安心豆知識「窓の役割から防犯対策を考える 建築学の観点から」(2011/8/1)
・安心豆知識「暑さ対策と防犯対策を両立するには」(2011/7/11)
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
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