ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 「七五三の日」に子どもの安全を考える
今日11月15日は「七五三」。この週末は、全国の神社などで一足早い七五三参りが行われ、かわいく着飾った子どもたちの姿をたくさん見かけることができました。子供の成長を祝う日本の年中行事であるこの七五三ですが、もともとは、乳幼児死亡率が高く、幼くして命を落としてしまう子どもが多かった時代に、子どもの年齢の節目ふしめで、成長を感謝して神社などにお参りをしたことにその端を発するようです。また、また昔の日本では、7歳までの子どもは「神様の子」とされ、いつ神様のもとに還っても(命を落としても)おかしくないと考えられており、7歳になって初めて社会の一員として認められていたことからも来ているとのことです。
現代の日本では、医療の進歩や、衛生状態、そして栄養状態の大幅な向上によって、小さい子どもが命を落としてしまうことは、当時に比べて激減しています。しかし、だからといって油断していてはいけません。残念ながら、現代の日本でも子どもが命を落としてしまうことはゼロではなく、その死亡原因の第1位は「不慮の事故」なのです。
日本の乳児死亡率が世界で最も低いことはよく知られていますが、日本における「事故による死亡率」は各国と比較しても決して良い方ではなく、0歳で先進15カ国中12位、1〜4歳では11位と報告されています。子どもの事故による死亡率が最も低いのはスウェーデンで、日本において、この死亡率がスウェーデンのレベルにまで低下すれば、毎年800人以上の子どもの命が救われるそうです。これは、毎年、800家族が不幸にならずに済むということを意味しています。犯罪であろうと、不慮の事故であろうと、何らかの病気であろうと、その原因によらず、子どもが命を落としてしまった場合、家族は不幸のどん底につき落とされます。
私たちは、セキュリティを「日常の活動や運営のすべてが、どのようなものからも阻害されることなく、平穏で無事に行えるようにすること」と考えています。ある人の生活のセキュリティが確保され、「平穏で無事」であるために一番必要なものは、その人自身、そして家族の「命」です。これに関して異論をはさむ人はまずいないでしょう。
子どもたちが不慮の事故で命を落とさないようにするために、現代に生きる私たちには、できることがあります。子どもの事故の情報を発信し、また発信されている情報に注意を払って世の中を啓発するとともに、事故を起こさないような製品・サービスの開発に力を注ぎ、それを世に出していくことです。このような活動の一環として、セコムも中核となって参加しているキッズデザイン協議会では、現在、子どもたちが不慮の事故で命を落とさないようにするための製品やサービスに関してのガイドライン作りを急いでおり、それを日本発の規格として、世界に向けて発信していこうとしています。
この世に生を受けた子どもたちが平穏で無事に成長し、全員揃って七五三のお祝いができるようにするために、私たちがしなければいけないことは決して少なくはないのです。
(参考)
・安心豆知識「子どもの事故原因を取り除く活動」(2009/7/27)
・子供の事故とキッズデザイン協議会の活動(セコムIS研究所ウェブサイトコラム)
・「キッズデザインガイドライン部会」が発足しました!(キッズデザイン協議会)
・子どもを事故から守る!プロジェクト(消費者庁)
・子どもに安全をプレゼント「事故防止支援サイト」(国立保健医療科学院)
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文
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