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2010年上半期の犯罪の状況

  先日、今年の上半期の犯罪統計が警察庁から発表されました。犯罪の数は、ここ数年減少が続いていますが、今年上半期の刑法犯でも減少しているとのことです。犯罪の種類ごとに見てみると、ほとんどのもので減少しており、日本はこのまま安心な国になっていくのでしょうか。

 警察庁の1〜6月の犯罪統計資料によると、刑法犯は76万7142件で、昨年同期比で8.4%減少しました。建物の中に入り込んで盗みを働く侵入盗は6万8654件で、8.7%減少しました。中でも、商店などを狙う出店荒らしは11.3%の減少となったほか、事務所荒らしは21.3%の減少、住宅侵入盗は9%の減少などとなっています。一方、建物の中に入ることのない非侵入盗は30万5619件で、7%減少しました。昨年の今ごろのこのコラムでは、ひったくりが増加したことを書きましたが、今回は減少しています。ひったくりは7436件で、昨年同期比で27%減少しました。また、スリも12.1%の減少、自動車の室内を荒らす車上狙いも16.5%減少しました。

 このように、ほとんどの犯罪が減少しています。一部、増加しているものもありますが、微増に留まっています。ここ数年、刑法犯全体の減少は続いていましたが、何かしら大きく増加しているものがありました。強盗が増えたり、暴行が増えたり、詐欺が増えたりしました。しかし、今年は大きく増えているところを見つけるのが難しいのです。

 最近の失業率の高止まりと同様に、犯罪者の"失業"も多いのでしょうか。もしそうだとしても、"休職中"の犯罪者がいつ復帰しないとも限りません。「攻撃側」が少ないうちに「守備側」の準備を怠りなく進めておきたいものです。

セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰

刑法犯の認知件数推移(各年上半期)(警察庁) 刑法犯の認知件数推移(上半期)
(警察庁)

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