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およそ30万台のパソコンがサイバー犯罪に加担している可能性

 いまや、どこにでもある"道具"のひとつとなったパソコンですが、自宅に複数台を所有されている方も少なくないと思います。かつては、必要なときだけモデムを使ってインターネットに接続していました。電話代を節約するために、最寄りのアクセスポイントにつなぎ、通信が終わったらすぐに接続を切ることをやっていました。電話をかけようとしたら相手がネットに接続中でいらいらしたという経験もいまや昔話になった感があります。

 しかしながら、現在ではADSLや光回線による常時接続が当たり前になっています。そのため、外部からの攻撃を受ける機会も増え、被害を受ける方が増えているようです。警察庁によると、現にサイバー犯罪の検挙件数は年々増加しています。

 先日の報道によると、アメリカや韓国の政府機関などのサーバーに対して、不正な行為をするサイバー攻撃があったとのことです。DoS攻撃というもので、大量のデータを送信することで機能を不全にします。テロ行為ではないかという見方もあるようです。

 これらの犯罪者は直接サーバーにアクセスするのではなく、誰かのパソコンを経由して悪事を働くケースがあります。総務省や経済産業省の調査によると、日本国内の30万台のパソコンがこれらのウイルス(ボットウイルス)に感染し、知らないうちに不正アクセスなどの犯罪に加担している可能性があるそうです。つまり、皆さんのパソコンがウイルス感染の被害者になるだけではなく、サイバー攻撃の加害者になっている可能性があるのです。

 これらのウイルスに感染しないためにも、自宅のパソコンのウイルス対策を行っておくことが重要です。パソコン購入後はネットに接続する前に、ウイルス対策ソフトをインストールしましょう。また、外部から不用意に侵入されにくくするために、パソコンを直接ネットに接続するのではなく、ブロードバンドルーターを介して接続することをお勧めします。ご家庭のパソコンにルーターが接続されているかどうか分からない方は、総務省と経済産業省が連携して対策サイトを開設していますので、そちらを参考にしてください。ちなみに、企業向けですが、セコムでもDoS攻撃対策サービスを行っています。

 買ってきたままのパソコンをそのまま使うことは、自宅の玄関のカギをかけることなく生活しているようなもので、泥棒を呼んでいるようなものです。また、他の人のパソコンに迷惑をかけることにもなりかねません。安全・安心で楽しいパソコンライフを送るためにも、一般常識として必ず対策を行うようにしましょう。

(参考)
総務省・経済産業省 サイバークリーンセンター
ブロードバンドルータに接続されているかのチェック
ボットウイルス感染チェック


セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰

サイバー犯罪の検挙件数の推移(警察庁調べ)

サイバー犯罪の検挙件数の推移
(警察庁調べ)

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