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戸締り用心、開けるのも用心

 みなさま外出するときにきちんとカギをかけていますか。「何をいまさら、当たり前です」という方は一安心ですが、カギのかけ忘れで泥棒に入られるご家庭が非常に多いのです。ちょっとそこまでだからとか、ゴミを出しに行くだけだからとか、ご近所に回覧板を渡しに行くだけだからなどという場合に、かけ忘れることはないですか。

 2008年上半期の警察庁の調べによると、泥棒に入られたご家庭の33%が、施錠されていない場所から侵入されたということです。住宅に侵入する泥棒の多くは、窓ガラスを狙います。窓をターゲットにした泥棒について調べると、一番多い手口がその窓のガラスを破って侵入するケースで64%です。次に多い手口が、窓の戸締りがなされていなかったために侵入したケースで26%です。 ところが、これが玄関をターゲットにした泥棒となると様子が変わってきます。最も多いのは玄関の戸締りがなされていなかったために侵入したケースで51%です。ピッキングなどをしなくても開いているケースが多いようなのです。しかも、戸建て住宅に限ると68%の泥棒が玄関の戸締りがなされていなかったと言います。

 多くの泥棒は、いろいろな手を使って侵入を試みます。鍵穴に特殊工具を差しこんでピッキングをしたり、ドアの内側のサムターンを開けようと針金などを駆使したり、なるべく音がしないように窓ガラスを割ったりして、いわば苦労して侵入してきます。ところが、狙った侵入口のカギがかかっていなかったら、その苦労は要りません。しかも時間もかかりません。泥棒の仕事を手助けするようなことはしたくないものです。

 次に、在宅時にインターホンが鳴ったのを聞いて、無造作にドアを開けていませんか。私は防犯セミナーなどで、「相手を確認してからドアを開けましょう。宅配便などを装った強盗もいます」とお話ししています。なんと、まさにその通りの劣悪な犯行が、都内とさいたま市で起こってしまいました。本当に宅配業者であるか確認するには、まずインターホン越しに対応すると良いでしょう。

 さらに、カメラ付きインターホンであれば、いつもの担当者なのか、本当に荷物があるのかを確認できたりします。ちょっと前のテレビで、マンションのインターホンで「宅配便です」と言うと、10人中10人がドアを開けたという実験がありました。また、以前取材で伺ったマンションでも、居住者の女性がドアを開けたところ手を切りつけられたということでした。ドアを開けるときは用心に用心を重ねることが必要になってきているのです。

セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田 宏彰

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