ネットセキュリティ 2025年10月08日

第437回 AIにより巧妙化する「SNS型ロマンス詐欺」に注意

AIと「SNS型ロマンス詐欺」

「SNS型ロマンス詐欺」とは、近年、被害が増えている特殊詐欺のひとつ。
SNSやマッチングアプリを通じて恋愛感情を装い、相手を信じ込ませて金銭や個人情報をだまし取る詐欺です。

「SNS型ロマンス詐欺」がAIを悪用することで巧妙化しています。
インターネット上の写真や翻訳アプリ、AIなどを利用して誰でも簡単に他人になりすますことができるため、勝手に他人の写真をプロフィール画像などに盗用するほか、AIでつくった声や映像を使い、テレビ電話でやりとりする手口もあります。

電話越しで顔を見ながら話したからといっても安心はできません。
"そもそもその相手が実在するのか"という点も不確かであるということを知っておきましょう。


また送金を促す方法も多様化しています。

「ふたりの将来のために投資で資金を増やそう」
「不動産購入の頭金にしよう」
「会いに行きたいから旅費を送ってほしい」
「大金を送りたいが、税金や手数料が必要なので立て替えてほしい」
「高額なプレゼントを送ったが、税関で止められているので手数料を払ってほしい」
「事故に遭って大けがをしたので、手術費を送ってほしい」

いずれも恋愛感情を悪用した手口で、「相手を助けたい」「一緒に将来を築きたい」と思う気持ちを逆手にとったものです。

相手のアプローチを知る

恋愛感情によって、相手に心を許してしまうと疑いにくくなるものです。
「SNS型ロマンス詐欺」の特徴を知ることが被害防止につながります。

・少額からスタートする
最初は金額が小さな要求からはじまることも多く、気が付きにくい場合も。
また金銭の受け渡しは、ネットバンキングやキャッシュレス決済など、「スマホ決済で簡単に送れる」方法であることが多いようです。

・将来を匂わせて信用させる
「お金を送ってくれたらすぐ会いに行く」「結婚を前提に考えている」など、将来を匂わせて信頼させるケースがあります。

・信頼されやすい職業を名乗る
「国際機関で働いている」「大企業で重要なポストにいる」などと信頼されやすい職業を語り信じ込ませることもあります。

・時間を区切って焦らせる
「いまお金を送ってくれないとチャンスを逃す」「時間がないから今日中に振り込んで」など、焦らせて判断力を鈍らせるケースも確認されています。

「SNS型ロマンス詐欺」では、恋愛感情が冷静さを妨げています。
手口を知り、被害が実在すること、被害者が増えていることを忘れないでください。

被害を回避するために

SNSやマッチングアプリを利用する際には、次の点を意識して行動することが大切です。

・金銭や個人情報は渡さない
どんなに親しく感じても、ネット上の相手が実在するのか、信用できるのかどうかはわかりません。
AIを使った手口もあることを知り、要求には慎重になってください。

・金銭の要求が出たら要警戒
「少額だから」「一度だけだから」と応じないこと。金銭の話がでたら、アカウントをブロックし通報するなど、冷静に対応をしましょう。

・相手のプロフィールや写真を疑う
ウェブ上で逆画像検索(リバース検索)を利用すれば、有名人や他人の写真を盗用しているケースを見抜けることがあります。

・相談できる人を持つ
少しでも「おかしいな」と思ったら、家族や信頼できる友人に相談しましょう。

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もしトラブルに巻き込まれた場合は、公的な相談窓口にすぐに連絡してください。

・警察相談専用電話:#9110
・消費者ホットライン:188(いやや!)
 最寄りの消費生活センターにつながる全国共通番号
・国民生活センター越境消費者センター(CCJ)
 海外事業者とのトラブルも対応します

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