第405回 女性を狙った「盗撮」の手口と対策
盗撮の検挙件数が増加しています。
検挙事案から盗撮手口がより巧妙化していることがわかってきました。
盗撮検挙件数の増加、手口の巧妙化をうけ、盗撮被害の防止が急がれます。最近の手口を知り、盗撮から身を守る対策を考えましょう。
盗撮犯に狙われやすい場所を知る
盗撮は、あらゆる場所で発生していると言える状況です。
絶えず注意が必要ですが、検挙した事案からは被害にあいやすい場所、つまり盗撮犯罪が発生した場所がわかります。特に注意が必要な場所と言えるでしょう。
【盗撮被害の多い場所】
・駅構内の階段やエスカレーター、ホーム
・ショッピングモールなどの商業施設
・住居、トイレ、浴場、更衣室など脱衣する場所
・電車内
・書店、レンタルビデオ店
・ゲームセンター、パチンコ店
背後にすきができやすい瞬間や、ほかのことに集中していて無防備になる瞬間が狙われています。
日常行動のなかに狙われる瞬間がたくさんあることを忘れないでください。
盗撮の手口がより巧妙化している
検挙した盗撮事案から、手口が大分されます。
ひとつは、スマホのようなものを「携行して」犯行におよぶもの。
もうひとつは特定の場所を狙ってカメラなどを「設置する」ものです。
「携行型の手口」と「設置型の手口」では取るべき対策が異なります。
まずはそれぞれの手口を知りましょう。
【「携行型」の盗撮手口】
スマホそのものを悪用する手口が多く検挙されているほか、超高性能な小型カメラの悪用も確認されています。
靴の先に小型カメラを仕込む、ペン型のカメラを胸ポケットに仕込むなどして携行するカメラの存在を巧妙に隠すものです。ほかにもバッグや傘、キーホルダーや眼鏡、洋服のボタンなどに小型カメラを搭載したものが市販されています。
レンズはわずか数ミリ。
数ミリの「穴」があれば撮影可能なのです。
【「設置型」の盗撮手口】
公共トイレなどで発見されることが多い盗撮目的の小型カメラ。
「設置型」の盗撮には、長時間撮影のための電源が使われるとされ、バッテリーや電池が用いられるそうです。
それでも手のひらで握り込めてしまうほどのサイズ。
検挙した盗撮事案では、トイレットペーパー置き場やサニタリーボックス、天井の通気口、床面の排水口など、さまざまな場所で盗撮目的のカメラが発見されています。
ほかにも、壁に打たれたネジ、忘れ物のように置かれたドリンクや、紙袋に小型カメラが仕込まれていたケースもありました。
小型化し、巧妙に隠されたこれらはトイレに限らず、脱衣所や更衣室など、どこにでも「設置する」ことができるもの。
小さな違和感を見逃さないことが肝心です。
次に具体的なシチュエーションごとに警戒すべきチェックポイントをあげます。
少しでも違和感があれば利用を避け、施設のスタッフなどに知らせましょう。
【トイレや試着室ではココをチェック】
利用する前に四方をよく見まわして、カメラらしきものや不審物がないかを確認しましょう。
隠しカメラを設置した場所には、レンズを露出するためのごく小さな穴があけられています。
壁面やドア、ネジ、トイレットペーパーホルダーなど、不審な穴がないかよく観察してください。
死角になりやすい場所や無造作に置かれたゴミやペットボトルなどにも注意が必要です。
【脱衣所や更衣室ではココをチェック】
着替えたり、服を脱いだりする場所では盗撮被害が多発しています。
洗面台に置かれた化粧水やアメニティーなど、常時置かれているものに隠しカメラが仕込まれていることがありますので注意しましょう。
また長時間その場に留まっている人や、お風呂セットなどを持ったままウロウロしている人など、不自然な人物にも警戒が必要です。
女性が盗撮の実行犯であるケースも確認されています。油断は禁物です。
盗撮から身を守るための対策
盗撮目的のカメラが巧妙に隠されようとも、違和感に気づくこと、警戒心を解かないことがとても大切です。
【対策(1)背後に注意】
階段、エスカレーターやエレベーターでの盗撮対策は後方、下方向への注意です。
階段を利用するときは、下方向にすきをつくらないこと。バッグで隠すなどしてください。
エスカレーターでは、手すり側に背を向けて立ち、視野を広く持つこと。
エレベーターでは、壁に背を向けて立つこと。
後方や下方向を警戒することが盗撮抑止につながります。
【対策(2)接近に注意】
混みあう電車やバスでは警戒が不可欠。
小型カメラを靴の先に仕込む検挙事案もあります。
不自然に近づいてくる人物が周囲にいないか、電車やバスに乗り込む前から注意が必要です。
また商業施設でも周囲の人の動きに注意しましょう。
店舗で商品を選んでいるときなど、背後や足元を警戒してください。
【対策(3)気配に注意する】
いわゆる「ながら」歩きは避けましょう。
音楽を聴きながら、スマホを操作しながら歩いていると周囲の環境変化に気づきにくくなります。
そのすきが狙われていることを忘れないでください。
【対策(4)服装にあわせた注意】
どのような服装をしていても後方や下方向には注意が必要です。
トップスの胸元や袖を狙った盗撮も横行しています。
インナーを着たり、一枚羽織ったりする工夫が必要でしょう。
* * * * * * * * *
絶えず盗撮に警戒していれば、わずかな異変にも気づきやすくなります。
夏にかけての薄着になる季節は特に油断しないようにしたいですね。
盗撮被害に気づいたときは、声をあげる、周囲に助けを求めるなど、勇気をもって防犯行動を。
警察に110番通報して、被害を見過ごさないようにしましょう。
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