第402回 電動キックボードに乗る前に注意しておきたいこと
新しい移動手段として注目される電動キックボード。
2023年7月に施行された改正道路交通法により、16歳以上であれば運転免許がなくても運転できるようになりました。
身近な乗り物になりつつある電動キックボードですが、注意すべき点や知っておかなくてはならないルールもあります。
安全に電動キックボードを利用するためのポイントをまとめます。
【電動キックボートについて】
電動キックボードとは、モーターを搭載して自走可能なキックボードのこと。
かつての電動キックボードは、道路交通法上、原付バイクや自動車と同じ扱いで運転免許が必要でした。
2023年7月1日に「電動キックボードなどに関する改正道路交通法」が施行。
一定の基準を満たす電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」の扱いとなり、16歳以上なら運転免許が不要になりました。
【一定の基準を満たす電動キックボードとは?】
・車体の大きさが「長さ190cm以下」「幅60cm以下」
・電動機の定格出力が「0.60キロワット以下」
・「時速20km」を超える速度を出すことができない
・走行中に最高速度の設定を変更できない
・オートマチック・トランスミッション(AT)機構がとられている
・最高速度表示灯が備えられている
これらの基準を満たさない電動キックボードは、原付バイクもしくは自動車の車両区分に応じた運転免許が必要とされています。
「電動キックボード」で公道を走行するには?
一定の基準を満たす電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」として、16歳以上なら運転免許が不要です。
ただし、公道を走行するには、国土交通省が求める「保安基準」に適合していなくてはなりません。
具体的にはヘッドライトやブレーキランプなどの10種類の保安装置を備えていること。
この基準を満たした電動キックボードには、「性能等確認シール」や「型式認定番号標」が付けられています。
またナンバープレートの取り付け、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)・共済の加入が義務付けられています。
近年はインターネット通販などでも気軽に電動キックボードを購入できますが、海外製品のなかには保安基準を満たしていないものもあるので注意してください。
法改正後に多い「電動キックボード」の交通違反や交通事故
電動キックボードの交通違反や交通事故は増加傾向にあります。
警察庁によれば、運転免許なしで電動キックボードに乗ることができるようになった昨年7月~12月までの交通違反の検挙件数は7,130件。
7月は約400件でしたが12月は約1,900件と4倍以上増加しているそうです。
違反内容でもっとも多かったのは、「通行区分違反」(歩道通行違反や逆走など)で全体の約半数を占めています。
報道された電動キックボードの交通事故も、通行区分に違反していたものが少なくありません。
電動キックボードを利用するなら、通行区分について理解が必要です。
【電動キックボードが通行できるのはどこ?】
・車道
・普通自転車専用通行帯
・自転車専用道
いずれも原則として「左側端」を走行。右側通行は違反です。
※歩道は例外
歩道が通行できるのは特定小型原付区分の電動キックボード。
免許が必要な「原付」区分の電動キックボードは歩道を通行できません。
特定小型原付区分でも歩道通行には制限があり、走行できるのは「自転車通行可」の道路標識がある歩道だけです。
また、歩道通行の際は、「時速6km以下」(6kmモード)に制御して「最高速度表示灯」のランプを点滅させなくてはなりません。
歩道の車道寄りの部分もしくは自転車通行指定部分を通行しなくてはならず、自転車同様に「歩行者優先」の原則を守る必要があります。
「電動キックボード」を安全に乗るためのルール
電動キックボードは、自転車同様に身近になりつつありますが、公道では新しく仲間入りしたばかりの乗り物です。
法令遵守はもちろん、交通マナーを守ることもとても大切なこと。
特定小型原付区分のキックボードについて、大事なポイントをまとめます。
主な交通ルール
□16歳未満は運転禁止
□乗車用ヘルメットの着用 (努力義務)
□走行できる場所を守る
□信号や道路標識を守る
□交差点は2段階右折
□曲がる時はウィンカーを出す
□飲酒運転、ながら運転、二人乗り、並進の禁止
なお、原付区分の電動キックボードは特定小型原付区分のキックボードと一部ルールが異なり、最高速度時速30㎞の車道のみ走行で運転免許・ヘルメット着用などが必須です。
自分が乗る電動キックボードのルールをしっかり把握して、交通安全のために慎重に乗車してくださいね。
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ヘルメットの着用は努力義務ではありますが、命を守るためには非常に重要。
かなりスピードが出ますので、必ずヘルメット着用を心がけてください。
また、荷物はリュックサックなどで両手を空けておくこともポイント。
操作性やバランスにも関わりますので、安全のために服装にも注意してくださいね!
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