
第370回 GPSを悪用したストーカーの手口と対策
ストーカーは、女性の被害者が圧倒的に多い犯罪です。
警察庁の統計によると、ストーカー被害者の9割近くを女性が占めています。
「自分も狙われる可能性がある」と考えて、ストーカー対策を知っておくことが大切です。今回は、最近増えているGPS機器を使ったストーカーの手口についてまとめます。 気づかないうちにプライベートな行動が探られているかもしれません。今すぐチェックしてみてください。
2023.01.04更新
ストーカーは、女性の被害者が圧倒的に多い犯罪です。
警察庁の統計によると、ストーカー被害者の9割近くを女性が占めています。
「自分も狙われる可能性がある」と考えて、ストーカー対策を知っておくことが大切です。今回は、最近増えているGPS機器を使ったストーカーの手口についてまとめます。 気づかないうちにプライベートな行動が探られているかもしれません。今すぐチェックしてみてください。
GPS機器を使った新たなストーカー手口
ストーカーというと、つきまとわれたり待ち伏せされたりするイメージがあります。
最近では、GPS機器を使って行動パターンを探る手口もあり、怪しい人の姿が身辺になくても安心はできません。
相手の承諾を得ずにGPS機器等で位置情報を取得したり、相手の所有するものにGPS機器などを取り付けたりする行為は、ストーカー規制法の改正により2021年8月から規制対象になっています。
GPS機器は小型で目立たないものも多く、なかなか気づけないものです。
GPS機器をひそかに設置する手口として、次のようなものがあります。
・車や自転車などに無断でGPS機器を取り付ける
・知らないうちにバッグや上着などにGPS機器を入れる
・プレゼントにGPS機器を忍ばせる
・位置情報を共有できるスマホアプリを無断インストールする
GPS機器に気づかないまま日常生活を送れば、通勤時間やよく行くお店など行動パターン、現在の居場所などが特定されてしまいます。
GPS機器を忍ばせた郵便物を旧住所に送り、転送サービスで転居先を割り出すという悪質な手口もあるそうです。
ストーカーの加害者は、配偶者や交際相手(元を含む)が約半数を占めています。
縁を切ったはずの相手からこっそりGPS機器を取り付けられたり、送られてきた荷物に忍ばせてあったりする可能性があることも覚えておきましょう。
今すぐできる!GPS機器を使ったストーカー行為への対策
GPS機器を取り付ける手口はさまざまです。
日頃の対策が欠かせません。
<GPS機器にいち早く気づくために>
(1)車や自転車に見覚えのない機器がついていないかチェック
小さくて目立たないタイプのGPS機器は、意識して確認しないと気づけない可能性が高いです。見慣れない機器がついていないか、よく見てみましょう。
自転車の場合、前かごの裏やサドルの下など普段は目に入らないところが要チェックポイント。
こまめに手入れをして、異変にすぐに気づけるようにしておきましょう。
(2)セキュリティ性の高い場所に駐車・駐輪する
GPS機器を取り付けるすきをつくらないようにしましょう。
他人が入り込みにくい柵のある敷地や、防犯カメラや照明がある駐車場・駐輪場が安心です。
(3)バッグに見覚えのない機器が入っていないかチェック
バッグの中身はいつもきれいに整理しておき、帰宅後は中身を出すなどして、見覚えのない機器が入っていないか確認しましょう。
荷物を入れっぱなしにしないこと、何が入っているか常に把握しておくことが大切です。
(4)服のポケットや内側に取り付けられていないかチェック
中綿入りのコートや裏地のある厚手のジャケットなどは、内側にGPS機器を仕込むことも可能です。
着ていて違和感のない部分(裾や内ポケットなど)に仕込まれる可能性が高いので、念入りに確認してみてください。
(5)身に覚えのない荷物、プレゼントは受け取らない
宅配便は送り主を必ず確認してから、受け取ること。
不安なときは受け取りを拒否することもできます。プレゼントをもらったときは、念のため不審な機器がついていないか確認する習慣をつけましょう。
(6)スマホやアプリは位置情報サービスをオフに
位置情報サービスは、カメラや地図アプリやスマホ紛失時の捜索用アプリなど、さまざまなアプリに使われています。アプリ使用時のみ位置情報サービスをオンにして、使っていないときは極力オフにしておきましょう。
(7)見覚えのないアプリがインストールされていないかチェック
スマホアプリも整理整頓しないと、GPSアプリを勝手にインストールされたときに気づくことができないかもしれません。
スマートフォンに入れているアプリを確認し、知らないアプリや使っていないアプリがあればアンインストールしましょう。
これってGPS機器?不安なときの相談先
GPS機器らしきものが取り付けられていたり、不審なアプリがインストールされているのに気づいたりしたときは、ストーカーなど犯罪に巻き込まれる可能性をまっさきに考えましょう。
ひとりで何とかしようとせず、家族や友人など信頼できる身近な人に相談してください。
同意なく勝手に取り付けられたGPSは、ストーカー規制法の規制対象です。
不安なときは、各都道府県の警察にも連絡しましょう(#9110)。
警察に相談すると、心当たりのある相手の情報やトラブルの内容などを聞かれますので、連絡する前に自分なりに伝えるべき内容を整理しておくことをおすすめします。
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GPS機能は正しい使い方をすれば便利なものですが、ストーカー行為に悪用されるリスクも知っておくことが大切。
最近のGPS機能は非常に高性能なので、ピンポイントで居場所を知られたり、詳細な行動を把握されたりする可能性もあります。
スマートフォンなどで自分の位置情報の共有をする場合、相手は極力最小限にし、誰とどのような理由で共有しているかをしっかり把握、管理してください。
位置情報を犯罪行為に使われないよう、細心の注意を払いましょう。
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