
第257回 玄関の施錠と鍵の特徴について解説
侵入窃盗の多くは、玄関や窓の無施錠(鍵のかけ忘れ)から発生しています。
侵入窃盗を防ぐには、施錠の習慣がとても大切です。
また鍵そのものの防犯性能についても確認しておきましょう。
今回は、玄関の施錠の重要性と、鍵の種類・セキュリティレベルについて解説します。
防犯のキホンは「施錠」
警察庁の統計(2023年中)によると侵入窃盗の手口で最も多いのは「無施錠」です。
・一戸建て住宅では、46.3%が無施錠による侵入
・共同住宅(3階建以下)では、49.9%が無施錠
・共同住宅(4階建以上)でも、41.6%が無施錠
また侵入口別では、共同住宅の場合、「玄関(表出入口)からの侵入」が最も多く、3階建以下では46.7%、4階建以上では61.5%を占めています。
オートロック付きのマンションや、高層階の部屋に住んでいても油断はできません。
施錠されていないドアが狙われています。
ゴミ出しや近所への買い物など、短時間の外出でも必ず鍵をかけましょう。
数分の油断が、大きな被害につながる可能性があります。
自宅の「鍵の特性」を知ろう
施錠を徹底することに加えて、鍵そのものの防犯性能を知ることも大切です。
鍵にはさまざまな種類があり、種類によって防犯性能に差があります。

たとえば、ロータリーディスクキーや単列ピンキーなど、比較的古いタイプの鍵は、内部構造が単純なため、ピッキング(特殊工具を使った不正開錠)に弱いとされています。
一方ディンプルキーは、鍵に複数の深さや向きの異なる穴(ディンプル)が設けられていて、ピッキングに時間を要するそうです。
賃貸マンションなどでエントランスにオートロックが備えられている物件もありますが、住居の玄関ドアにシンプルなピンシリンダーキーが使われるケースがあります。
オートロック付きのマンションでも自宅の鍵の防犯性能を高める必要がありそうです。
但し、事前に管理会社などに相談し、了承を得たうえで鍵交換を行いましょう。
新築住宅やセキュリティを重視した物件では、防犯性能の高いディンプルキーが標準装備されていることが増えてきました。
ICカードキーやスマートロックなど、鍵穴を使わない新しいタイプの施錠システムも一部で普及しつつあります。
「オートロックだから安心」「高層階だから大丈夫」と油断せず、自宅の玄関ドアに使われている鍵の種類と防犯レベルを正しく把握することが侵入窃盗の被害を防ぐ第一歩です。
自宅の鍵の種類を知るだけでも、防犯意識が高まり、必要に応じて適切な対策を講じることができます。
防犯性能に不安がある場合は、セキュリティレベルを高める対策を検討しましょう。
玄関鍵のセキュリティレベルをアップするポイント
鍵の防犯性能を高めるために、次のような対策が効果的です。
・1ドア2ロックにする
玄関ドアに補助錠を取り付け、鍵を2つ設けることで、侵入にかかる時間を延ばし、住居侵入への抑止効果を高めることができます。
・防犯性能の高い鍵へ交換する
ディンプルキーなどピッキングに強い鍵や、セキュリティ認証ID付きのシステムキーなどへの交換を検討しましょう。
・鍵番号の管理を徹底する
鍵に刻印された番号を見られると、複製されるリスクがあります。
鍵番号は第三者に見せず、カバーを付けるなどの対策をしてください。
・合鍵の管理を厳重にする
合鍵の作製は必要最小限にとどめ、郵便受けや玄関付近に保管しないようにしましょう。
紛失した場合は速やかに鍵を交換することも大切です。
・賃貸住宅でもできる防犯対策を活用する
入居する際には、鍵を交換しているか管理会社などに事前に確認するようにしましょう。
工事不要で取り付けられる補助錠や防犯アラームを使えば、賃貸住宅でも玄関の防犯力を高めることができます。
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「少しの外出でも必ず施錠」
こうした日々の小さな心がけの積み重ねが、住まいの安全を大きく高めます。
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