防災・防火 2026年06月03日

第454回 水害でライフラインが止まったら

ライフラインが止まったときの行動ポイント

豪雨や台風などによる水害では、自宅の床下・床上浸水の発生や周辺道路の冠水など、被害の程度にかかわらず、停電や断水、通信障害などが突然発生することがあります。
ライフラインが止まったときは、安全を最優先に、次のポイントを確認しながら行動しましょう。

【断水したときの対応】
・水道の元栓を閉める
断水中に配管へ泥水や異物が入り込むのを防ぎ、復旧後の故障を防ぐためです。
・トイレは原則使用しない
下水処理がストップしている可能性があり、排水できずに逆流や詰まりの原因になります。
そのため、簡易トイレをあらかじめ準備しておきましょう。

【停電したときの対応】
・ブレーカーを落とす
浸水した状態で通電すると、漏電や火災(通電火災)の危険があります。
・冷蔵庫の冷気を保つ
冷蔵庫の庫内の冷気をできるだけ逃がさないよう、開閉は最低限にしましょう。
・バッテリーを節約
スマートフォンは「低電力モード」にします。
災害情報の確認や連絡手段を確保するため、不要なアプリは閉じ、バッテリーを温存しましょう。
モバイルバッテリーの備えがあればより安心です。

【ガスが停止したときの対応】
・ガスの臭いがしたら、元栓を閉めて火気厳禁
引火の危険があるため、換気扇や電気のスイッチを入切する操作も絶対に避けてください。
・カセットコンロを使うときは必ず換気する
停電やガス停止時に重宝しますが、閉め切った室内で使うと一酸化炭素中毒の恐れがあります。

【その他の注意点】
・夜間や停電時の移動は、懐中電灯などで足元を必ず確認する。
・冠水した道路は、蓋の空いたマンホールや側溝といった思わぬ危険が潜んでいるため、絶対に近づかない。
・水が使えないときは、身体を清潔に保つためにウェットシートやボディシートなどが役立ちます。

水害によるライフライン停止は、突然起こります。
日ごろから「ライフラインが止まっても最低でも3日間は自力で過ごせる」準備をしておきましょう。

ライフライン停止への事前対策

「数日間はライフラインが使えないかもしれない」という前提で備えておくことが大切です。

【非常用持ち出し袋・備蓄の準備】
・基本の備え:飲料水、非常食、懐中電灯、乾電池、常備薬など
・女性向けの備え:生理用品、使い捨て下着、防犯ブザー、着替え用ポンチョ
・衛生面の備え:簡易トイレ、ウェットシート、ボディシート、ドライシャンプー
・スマホのために:モバイルバッテリー

非常用持ち出し袋は、避難時にすぐ持ち出せる場所に置いておきましょう。
季節(暑さ・寒さ)にあわせて、中身は定期的に入れ替えが必要です。

備蓄用の食品や電池は期限切れになりやすいため、ふだん使いしながら買い足す「ローリングストック」がおすすめ。

さらに、生活用水の確保も、水害時には大きな助けになります。
お風呂の残り湯をためておいたり、ポリタンクに水道水を確保しておくと、トイレや掃除、手洗いなどに活用できます。

ライフライン停止に備えて「避難ルート」の確認を

ライフラインが止まるほどの大きな水害では、自宅の安全が脅かされたり、体調を崩したりして避難を余儀なくされるケースがあります。
いざというときにパニックにならず安全に移動できるよう、ふだんの備えの一環として避難ルートを確認しておきましょう。
避難先は、指定避難所だけでなく、親戚宅、ホテルなども選択肢の一つです。そのうえで、自宅の状況が安全であれば在宅避難も含め、状況に応じた行動を考えておきましょう。

・「ハザードマップ散歩」でルートを歩いてみる
ハザードマップは見るだけではなく、確認しながら実際に歩いて確認することが大切です。
川沿いやアンダーパス(冠水しやすい地下道)など、浸水しやすい道路や避けるべき場所を事前に把握しましょう。

・「悪天候や夜間」の避難は原則避ける
悪天候や道路の冠水時、特に夜間の避難は想像以上に危険を伴います。だからこそ、「まだ大丈夫かな」と感じている段階で、少し早めに行動を始めておくと安心です。目安としては、警戒レベル3~4のうちに避難を検討しましょう。一方で、警戒レベル5まで状況が進むと、外へ移動すること自体が難しくなってしまいます。そのようなときは無理に外に出ず、自宅の上の階へ移動する「垂直避難(できるだけ高い場所へ避難すること)」を心がけましょう。安全を第一に、状況に応じた落ち着いた行動が大切です。

・家族間でのルールを決めておく
被災による通信障害で連絡が取れなくなった場合の行動について家族で確認しておきましょう。
連絡手段、集合場所、避難のルールを事前に決めておいてください。
また、避難のタイミングに迷ったら、気象庁の「キキクル(危険度分布)」を活用しましょう。
危険度が地図で色分けされ、10分ごとに更新されるため、状況の変化を把握しながら早めの避難判断に役立ちます。

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近年は豪雨や台風による深刻な水害が増えています。
ライフラインの停止は、誰にでも起こりうるもの。

特にひとり暮らしでは、非常時に自分で判断し行動しなければなりません。
ふだんから「ライフラインが止まったらどうするか」を考え、必要な備えを整えておきましょう。

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