セコムＩＳ研究所は、1986年に東京・三鷹市にセコムの研究拠点として設立されました。社会動向・技術動向・犯罪動向から世の中に出てくる不安要素をいち早く把握し、「安全・安心」な社会の実現に必要な先端技術の研究を行っています。

　セコムＩＳ研究所で行っている主な研究は、セコムが提供するさまざまなサービスを支えるネットワークと計算機技術、監視カメラの映像を高度に活用する画像処理技術、セキュリティ分野や介護分野で人をサポートするサービスロボット技術、サービスと受け手をつなぐヒューマンインターフェース技術とそれらを支えるセンシング技術、医療・介護を支援する技術、リスクマネジメントに関する研究など「安全・安心」に関わるさまざまな最先端な研究があります。

　今回の現場レポートでは、前回に引き続きＩＳ研究所を訪ね、基盤技術ディビジョン ビルディングテクノロジーグループの山内 敦研究員に話を伺いました。山内研究員は入社14年目を迎えます。入社以来、大規模施設のセキュリティシステムやセキュリティシステムで使用される信頼性の高いソフトウェアの開発など、さまざまな研究・開発を手掛けてきました。

Ｑ．現在の仕事を教えてください。
　私は、学生時代からあまり行われていない研究に興味があり、当時もあまり研究が行われていなかった「人工生命」という分野を研究していました。
　セコムへの入社の動機は、世の中にない「安全・安心」を創造する研究を多く手がけていたことです。この会社なら何かめずらしいことが研究できるのではないかと思い、入社を決意しました。
　その後は、多くの研究・開発に携わってきましたが、純粋な研究活動というよりは、今ある研究をいかにサービス・商品につなげていくかという、研究とお客さまの橋渡しのような役割を担っています。

Ｑ.セコムＩＳ研究所は、どのような研究所ですか。
　ＩＳ研究所に配属されてから、とにかく多くのチャンスにめぐりあってきました。特に若いころに多くのプロジェクトに参加して経験を積むことができたのは、私にとっての大きな財産になっています。このチャレンジ精神に溢れている組織だからこそ、世の中にないサービス・商品を生み出せるのだと思います。
　また、普通研究所というと閉鎖的なイメージが有るかも知れませんが、ＩＳ研究所では、現在行っている研究を一般に公開する、あるいは学会や有識者が集まる国の専門委員会などに多くの研究員が参加しています。お客さまも含めた多くの社外の方々と接点を持つことで、新たなニーズを掴むことができるのだと思います。これもＩＳ研究所のオープンな環境があればこそだと思っています。

　 Ｑ.研究で心がけていることを教えてください。
　私の仕事は、お客さまのお困りごとを考えるということから始まります。私たちの研究は、世の中を「安全・安心」にするというビジョンをもとに研究していますので、安全ではない状態、安心ではない状態をお客さまに代わってしっかり考えることは、研究の原点でもあると思います。
　あたり前の話ですが、良い研究をしているから良いサービス・商品が生まれるのではありません。どれだけお客さまのことを考えて研究・開発しているかが、サービス・商品に生きるのだと思っています。
　そして、最終的には私たちの研究によって、世の中のあらゆるお困りごとを解決できれば、本当にすばらしいことだと思いますし、私の使命もそこにあるのだと思います。

Ｑ.今後の抱負を教えてください。
　最先端な技術もそれだけでは、人の心を掴むことができません。人を安心にするサービスの研究をしていくには、技術力を上げることも必要なことですが、もっと人を知り人間力に磨きをかけることが大切だと思っています。
　これからも人に根ざして、本当に多くの方が安全で安心、そして便利になるようなサービス・商品の研究・開発を手掛けて行きたいと思います。

（参考）

・"全体像"で理解する現場レポート

セコム株式会社
コーポレート広報部