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セコムIS研究所は、1986年に東京・三鷹市にセコムの研究拠点として設立されました。社会動向・技術動向・犯罪動向から世の中に出てくる不安要素をいち早く把握し、「安全・安心」な社会の実現に必要な先端技術の研究を行っています。
セコムIS研究所で行っている主な研究は、セコムが提供するさまざまなサービスを支えるネットワークと計算機技術、監視カメラの映像を高度に活用する画像処理技術、セキュリティ分野や介護分野で人をサポートするサービスロボット技術、サービスと受け手をつなぐヒューマンインターフェース技術とそれらを支えるセンシング技術、医療・介護を支援する技術、リスクマネジメントに関する研究など「安全・安心」に関わるさまざまな最先端な研究があります。
今回の現場レポートでは、前回に引き続きIS研究所を訪ね、基盤技術ディビジョン ネットワークセキュリティグループの佐藤雅史主務研究員に話を伺いました。佐藤主務は入社13年目を迎えます。入社以来、長年、情報セキュリティの研究をしており、この分野でのエキスパートです。
Q.現在の仕事を教えてください。
ひと言で"情報セキュリティ"といってもさまざまな分野がありますが、現在研究しているテーマは、インターネットを通じたさまざまな取引や申請などで欠かせない「電子認証」の技術です。
この技術は、インターネットを通じて電子取引を行う際に「盗聴」や「なりすまし」、「改ざん」などを防ぐために欠かせない技術で、電子文書の作成者の個人認証を行うという重要な役割を果たしています。具体的には、「秘密鍵」と「公開鍵」と呼ばれる電子的な鍵を用いる暗号化技術を利用し、「電子署名」と「公開鍵証明書(電子証明書)」をもって、電子認証を行います。
現在、セコムの情報系グループ会社であるセコムトラストシステムズ鰍ェ提供する「セコムあんしんエコ文書サービス」などにこの技術が応用されています。
Q.研究で心がけていることを教えてください。
研究は、深く突き詰めていけば行くほど、自分の殻に閉じこもりがちになります。もちろんそれは、研究を行うにあたり必要なことですが、一方で高い視点と広い視野を持って俯瞰(ふかん)することも大切だと思っています。
研究は目的ではなく、社会を豊かにしていくための手段です。行っている研究が世の中でどのように使われていくか、または、どのような「安全・安心」を提供できるかは自分の軸でなく、社会の軸で評価しなければなりません。ですから一方では、虫の視点を持って目の前の研究に集中する、またもう一方では、鳥の視点を持って高い視野から今の研究を再確認する、という両方の視点を持つことを常に心がけています。
Q.最近、サイバー攻撃などの報道がなされていますが、
どのようにお考えでしょうか。
毎日のように個人情報の漏洩や新たなコンピュータ・ウイルスの流行が報道されていますが、実際にさまざまな脅威が出てきています。私の感覚では、ネットワーク上で情報セキュリティを施すことは、待ったなしの状況にあると思っています。
現在のネットワークでは、すべての安全対策がなされているわけではなく、火種は常にあります。まずは、個人であっても情報セキュリティの重要性を認識してもらうことが大切です。また、身近で出きることと言えば、ご自身のパソコンなどが、しっかりセキュリティ対策がなされているかをご確認いただきたいと思います。
Q.今後の抱負を教えてください。
"情報セキュリティ"というと、まだ多くの方が分かりにくいというイメージを持っていると思います。この分かりにくい分野をいかにシンプルに、そして分かりやすくしていくかも、私の課題でもあると思っています。
どんなに良い技術を研究・開発しても、分かりにくければ世の中に普及しません。特に「安全・安心」に関わるテーマは、人々の暮らしに直結することが多くありますので、より分かりやすいことが求められるのだと思います。
私たちには、「安全・安心」を先取りし、未来の安全ビジョンを創っていく使命があります。これからも高いビジョンを掲げ、良い研究を行い、品質の高いサービス・商品を生み出して、社会の安全化に正面から取り組んで行きたいと思っています。
(参考)
・"全体像"で理解する現場レポート
セコム株式会社
コーポレート広報部
IS研究所
佐藤雅史主務研究員
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