開催レポート
第13回:特別回「キャリア・インカレ2018」

株式会社マイナビが主催する国内最大級の学生ビジネスコンテスト「キャリアインカレ2018」が、2018年7月3日のプレエントリーから2019年1月12日の決勝大会までの半年間にわたり開催されました。

本イベントは、マイナビが運営する大学生キャリア支援プロジェクトの一つです。
参画企業が「New Way、New Life」というビジョンをもとに、自社のビジネス環境や課題から企業テーマを出題。学生は2~4名でチームを組み、取り組みたいテーマにエントリーします。
今回、プレエントリー数1796名、本エントリー348チームの登録がありました。参画企業5社が、それぞれ各社へのエントリーチームから自社代表となる決勝進出1チームを選出し、決勝大会で総合優勝(グランプリ)を決定します。

セコムは、「セコムオープンラボ」の特別回として、「2030年、日常のお困りごとを解決するセコムの新たなサービス事業を提案せよ!」をテーマに参画。79チーム300名程度の応募をいただき、書類審査を通過した21チームにプレゼンテーション動画を提出いただきました。
動画の審査で21チームの中から8チームをセコムで選出し、2018年12月16日の準決勝大会でセコムの代表1チームは「タートルズ」に決定。
2019年1月12日の決勝大会にてテーマ協賛企業5社の代表チームが競い、「タートルズ」は見事「ニコニコ視聴者賞」を受賞しました。

エントリーいただいた皆様、取り組んでいただいてありがとうございました!未来の社会に向けた様々な想いを高める機会となりました。

日経新聞2019.1.30朝刊掲載の記事はこちら

開催概要

キャリアインカレ2018

  • プレエントリー開始:2018年7月3日(火)
  • 決勝大会開催日時:2019年1月12日(日) 17:00〜 19:30
  • 会場:六本木ニコファーレ
各参画企業のテーマ(決勝大会発表順)
セコム:2030年、日常のお困りごとを解決するセコムの新たなサービス事業を提案せよ!
自民党:地方創生を軸とした、2020年以降の日本社会を豊かにする新たなイノベーションを提案せよ。
JAL(日本航空):今後伸びていく分野にJALが関わり、社会が豊かになるサービスを立案せよ。
ワコール:ワコールが考える女性のライフスタイルにあった新ビジネスを提案しなさい。
東京証券取引所:地域や年齢を問わず、一人でも多くの人が、人生100年を生き抜くための資産形成に取り組むようになるにはどうしたらよいか考えよ。

開催結果
グランプリ(奨学金100万円):ワコール代表チーム「Plovers」
ニコニコ視聴者賞(選べるeギフト5万円): セコム代表チーム「タートルズ」
ファイナリスト(奨学金10万円):決勝進出各チーム

エントリー数
プレエントリー数1796名、本エントリー348チーム

ご挨拶

  • 沙魚川 久史

    セコムオープンラボ総合ファシリテーター。1976年生まれ。東京大学イノベーションマネジメントスクール修了。東京理科大学大学院 総合科学技術経営研究科修了、同院イノベーション研究科修了。セコムにて研究開発・コーポレート全般の企画業務に携わり、イノベーション推進に向け「セコムオープンラボ」を主宰。専門領域はサービスサイエンス・技術経営・知財マネジメント。東京理科大学総合研究院 客員准教授、国研 科学技術振興機構 専門委員、ものこと双発協議会 事務局長。

キャリアインカレ2018

今回は、「セコムオープンラボ」の特別回として、株式会社マイナビが主催する国内最大級の学生ビジネスコンテスト「キャリアインカレ2018」の開催に参画しました。本イベントは、マイナビが運営する大学生キャリア支援プロジェクトの一つです。
参画企業が「New Way、New Life」という大会ビジョンをもとに、自社のビジネス環境や課題から企業テーマを出題。学生は2~4名でチームを組み、取り組みたいテーマのビジネスプランを企画書に起こしてエントリーします。
今回、プレエントリー数1796名、本エントリー348チームの登録がありました。参画企業5社が、それぞれ各社へのエントリーチームから自社代表となる決勝進出1チームを選出し、決勝大会で総合優勝(グランプリ)を決定します。
セコムは、「2030年、日常のお困りごとを解決するセコムの新たなサービス事業を提案せよ!」というテーマを設定しました。未来の社会を担う学生世代による本音の未来観や価値観を伺いながら、セコムという題材を使ってどういう未来の課題を表現してくれるのか、議論することが目的です。
2018年3月に行った1dayの学生ビジネスコンテスト「セコムオープンラボ @大学園祭」も、同様のテーマでした。セコムオープンラボ @大学園祭でも、2030年にどんなニーズがあるのか、これからの時代を作る世代ならではの課題感や刺激的なアイデアをたくさん得ることができました。今回、さらに発展した議論が繰り広げられることへの期待を込めて、同テーマとしています。
今回、セコムテーマへの応募は79チーム300名程度。そこから、一次予選となる書類審査を通過した21チームにプレゼンテーションの動画を提出いただき、二次予選として動画審査を実施。動画審査を経て、準決勝大会へ進出する8チームを選出しました。各チームにはそれぞれフィードバックを行っています。

2.準決勝大会

準決勝大会は2018年12月16日(日)午後12時から東京・新宿区の「新宿ミライナタワー」で開催。参画企業5社とそれぞれの準決勝大会進出各8チーム、合計40チームの学生たちが集いました。
緊張感漂う中、各参画企業からの挨拶でスタート。セコムからはセコムオープンラボ総合ファシリテーターである沙魚川から、学生たちへの挨拶と期待の言葉が贈られます。 続いて、各企業代表者により決勝大会のプレゼン順序を決める抽選が行われ、セコムは1番手に決定。来たる決勝大会では、セコムの代表チームがトップバッターとして決勝大会の流れを作ることとなりました。
その後はセコムのプレゼンルームにおいて、決勝進出をかけた8チームの学生たちにより熱の入ったプレゼンが行われました。持ち時間は、プレゼンテーション13分、質疑5分です。
少し未来の社会における「お困りごと」を学生たちの目線から発掘。その課題を解決するためにどういったプロダクトやサービスが必要となるか、どのようなビジネスプランで実現するか。そして、それをどのようにプレゼンテーションとして表現するか。それぞれのチームが半年間かけて探索してきた成果を披露しました。
ここで、各チームの提案ビジネスプランについて、そのエッセンスをご紹介します。
<チーム名/大学名:提案内容>
  • 開/東京都市大学:学校体育館を誰もが安全に使用できる社会資産として利活用する学校体育館のシェアリングプラットフォームサービス
  • ひらいしおぐ/東京都市大学:ウェアラブルデバイスにウイルスセンサと簡易の除去機能を搭載したウイルス感知&除去装置
  • シンクタンク/京都橘大学:AIによって高齢者を特殊詐欺との接触から守るAIインターホン・電話機
  • タートルズ/東京理科大学:ごみのポイ捨てを防ぎ、ゴミがたまると自動で集積場まで捨てに行く、走るごみ箱
  • ポートペー/早稲田大学:トイレの排泄物やスマホの移動情報から日々のヘルスケア情報を蓄積管理、カルテ情報などと併せて行う日々のヘルスケア&アドバイスサービス
  • EYECLOCK/武蔵大学:全国のセコム事業所を窓口として空き家のコンサル/リノベーション/民泊運営を行うサービス
  • G-free/昭和女子大学:専用センサでゴキブリを検知し、家人に通知し、要請があれば駆除も請け負うサービス
  • HOOPビジネス部/千葉大学:ウェアラブルなコミュニケーションペットが高齢者の災害避難・疎開を支援するサービス
キャリアインカレ2018の審査基準は、「テーマ分析度」「実現可能性」「持続可能性」「表現力」「New Way, New Lifeであるか」です。セコムは、テーマ設定した<2030年という時代観、日常のお困りごとという課題の本質性>に加えて
    • 荒削りでも尖っていて、革新性があるか
    • よりよい社会になるか
    といった、セコムが大切にしている価値観も重視します。
お互いのプレゼンを真剣に聞き、学生間でも活発な質疑が上がる、熱意溢れる準決勝大会。各チームの非常にハイレベルな提案に、セコムの審査員10名のなかでも多数の意見が出ましたが、「2030年…」というセコムのテーマ分析、「New Way、New Life」という大会ビジョンを決め手に選考を行い、全員の一致によりセコム代表チームは“ごみ箱を巡る課題”を提案した「タートルズ」に決まりました。
最後に、各社の参加者一同が揃うなか、参加者全体に向けて、セコム沙魚川からの結果発表とともに講評があり、ファイナリストとして各社の代表で決勝に進出する5チームが決定して準決勝大会は終了しました。決勝進出チームには奨学金10万円が贈られます。
終了後には、懇親会に場を移して各チームと交流しながら個別のフィードバックなどがありました。
決勝進出となった5チームはこちらです。

3.決勝大会

決勝大会は2019年1月12日(土)午後5時から東京・港区の「ニコファーレ」で開催されました。全国1796名から勝ち上がった5チームが各参画企業を代表して戦います。
それぞれのチームがプレゼンを行い、今回は第三者の審査員が採点。会場の様子は「ニコニコ動画」で生放送され、視聴者による採点も行われます。
プレゼンの順番は、セコム、自民党、JAL(日本航空)、ワコール、東京証券取引所。持ち時間は、プレゼンテーション13分、質疑5分です。
プレゼンに先立ち、セコム沙魚川より、テーマ設定に込めた想いとセコムが大事にしている視点について紹介があり、そういった背景からプランを構築したセコム代表チーム「タートルズ」が進めてきた検討プロセスを紹介。エールを送り、開演直後で緊張感が高まる会場でトップバッターとなる「タートルズ」に向けて、場のトーンを整えていきます。
セコムのテーマは、「2030年、日常のお困りごとを解決するセコムの新たなサービス事業を提案せよ!」。
セコムがこのテーマを通じて、参加学生チームに大切にして欲しいことは、「作りたいもの」や「作れそうなもの」から考え始めるのではなく、何が「お困りごとの本質」なのか、から考えることでした。課題設定が本当に正しければ、どういった解決方法であれ、社会に価値を生み出すことが出来るためです。解決方法はそのための「手段」であって、時代にあわせて変わっていくもの、とも言えるかもしれません。
「タートルズ」が提案する“ごみ箱を巡る課題”は、2030年の来日外国人6000万人という政府目標に向けて、ますます外国人観光客が増える一方、街なかにゴミ箱が少ない日本で、ポイ捨てを防ぐにはどうしたらよいか、というもの。
決勝当日朝の会場地域周辺のポイ捨ての状況や、実際に参加したライブイベントでのゴミ箱の現状など、実体験やその写真をもとに市場調査や社会アンケートを実施、その課題を可視化。解決策として、センサ類を搭載した自律走行型ゴミ箱により、街の美観と安全とを両立させるアイデアを提案しました。
一番手の登壇ということでやや緊張しながらも、「トップバッターは勝てないというジンクスを打ち破る」という自ら宣言した通り、準決勝から更に改良を加えたビジネスプランと自作の自走式デモ機を登場させるなど工夫を凝らし、堂々とプレゼンを演じ切ります。
審査員の厳しい質疑応答にも対応し、視聴者投票では5点満点中5点獲得という高評価を得て、会場がどよめく場面もありました。
その後、残る4社の代表チームからプレゼンと質疑が続き、全チームのプレゼン終了後に結果発表となりました。
グランプリは惜しくも逃した「タートルズ」でしたが、ニコニコ生放送の視聴者投票では38.8%の得票を得て、見事1位を獲得。最も多くの視聴者の支持を勝ち取ったチームに送られる『ニコニコ視聴者賞』を受賞し、選べるeギフト5万円分が贈られました。
準決勝大会、決勝大会ともに、終了後には懇親会の時間が設けられており、参加チーム、企業を超えたさまざまな関係の中で想いの共有や議論が生まれ、世代を超えた新たな“交流”と“気づき・きっかけ”を得る場となりました。

今回の「キャリアインカレ2018」では、これからの未来を創っていく若者世代の本音の未来感や価値観を学ぶだけでなく、エントリーいただいた学生の皆様にセコムの幅広い事業領域について理解を深めてもらうとともに、ネットメディア等を通じて多様な皆様にセコムの想いや取り組みを発信することができました。
最後に、今回『ニコニコ視聴者賞』を受賞したセコム代表チーム「タートルズ」のメンバーに感想を伺いましたので、ご紹介します(学年は開催時のもの、掲載は50音順です)。

永井 仁さん<東京理科大学 経営学部2年生>
今回キャリアインカレで決勝まで進めたことはとてもいい経験でした。自分たちでビジネスアイデアを練り、SECOMさんや先生方のフィードバックを受けて修正しプランを改善していく。課題の捉え方一つとっても何度も思考を巡らせ、13分という短い時間に自分たちの全てを詰め込みました。自信があった分、グランプリを逃したことはとても残念でしたが、メンバーや周囲の皆さんのおかげでニコニコ視聴者賞を頂くことが出来ました。本当にありがとうございました。ですが、自分たちには足りないものだらけです。素晴らしい経験だった。いい夢が見られた。そんな過去の思い出で終わらせないよう、今後も精進していきたいと思います。
長野 大樹さん<東京理科大学 経営学部2年生>
テーマからアイデアを創出し、チームで議論を重ねながら一つの形にしていく。どの工程も私にとっては未知のもので、何度も現れる課題に挫折しそうにもなりました。しかし、チームメンバーやSECOM様、その他協力してくださった方々の力を借り決勝という場まで進むことができました。本当に感謝しています。そのおかげもありニコファーレの決勝のステージでは、チーム結成からの全てを出し切り楽しくプレゼンをすることができました。自信があっただけに総合優勝を逃したことは非常に悔しいですが、約半年の経験はそれ以上の価値があるものだと感じています。
キャリアインカレは自分が持っていた力を気付かせ、逆に持っていない力を養ってくれる場だと思いました。自分の力がどこまで通用するのか確かめるために、自分自身を成長させるために、他の学生にも是非参加して挑戦してほしいと思います。
山田 康太さん<東京理科大学 経営学部2年生>
初めは授業の一環で応募したキャリアインカレでしたが、気づけば書類審査、動画審査、そして準決勝を勝ち上がり決勝の舞台まで登りつめていました。この半年間振り返ってみると、大変なこともありましたが、自治体へのヒアリング調査や、ニコファーレでのプレゼンテーションなど、日常ではできないような経験を多くすることができました。このような経験をする機会を与えてくれたチームメンバー、先生、企業の皆さんには本当に感謝しています。今回キャリアインカレを通して得た経験を、無駄にすることなく今後の人生につなげていきたいと思います。
渡邉 哲平さん<東京理科大学 経営学部2年生>
「2030年の日常のお困りごと」というテーマに、10年後はどこまでグローバルな日本になるだろうとか、AIによる自動運転技術はどこまで進歩しているんだろうなど、学生なりに未来を推測することは面白いながらに難しいこともありました。この大会はあくまでビジネスコンテストなので、製品を作れなくても収益性や持続可能性を考える必要があります。また、我々のアイデアがB to Gのビジネスであったため、実際に自治体に聞き込みやニーズ調査を行いました。しかし、我々が理想としているような回答を得られないことも多々あり、顧客の意見を聞くことの大切さを学びました。このような経験は大学の授業を聞いているだけでは決して得られません。是非他の学生の方にも挑戦してほしいです。

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