開催レポート
第10回:特別回「セコムオープンラボ @大学園祭」

2018年3月28日、「セコムオープンラボ」の特別回として、株式会社マイナビが主催する「My Future Campus 大学園祭」の中で「セコムオープンラボ@大学園祭」を開催しました。本イベントでは、「2030年、日常のお困りごとを解決するセコムの新たなサービス事業を提案せよ!」をテーマに、未来を担う学生チーム7枠のエントリーにより1dayのビジネスコンテストを実施。7チームから提案されたビジネスプランについて、予選・決勝と審査を行い、グランプリとセコム特別賞を選出しました。

グランプリ :「なすびシスターズ(立教大学、慶應義塾大学、早稲田大学チーム)」
セコム特別賞:「ボンバーヘッドセキュリティーズ(東京理科大学チーム)」

学生世代の視点と自由な発想から生まれる新しい切り口をともに議論しながら、2017年5月に発表した「セコムグループ2030年ビジョン」の「あんしんプラットフォーム」構想実現に向け、未来の社会とサービスを様々な角度から展望して、学生とともに未来の社会に向けた想いを高める機会として盛大に開催することができました。

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開催概要

セコムオープンラボ @大学園祭
(マイナビ主催「MFC大学園祭」内で開催)

開催日時:2018年3月28日(水) 10:00〜 17:30

会場:横浜大桟橋ホール(神奈川県横浜市)

参加チーム:7チーム

総合ファシリテーター

  • 沙魚川 久史

    セコムオープンラボ総合ファシリテーター。東京理科大学 総合研究院 客員准教授、国研 科学技術振興機構 専門委員、ものこと双発協議会 事務局長。
    セコム本社企画部にてコーポレート全般の企画業務を担当する傍ら、イノベーション推進に向け「セコムオープンラボ」を主宰。東京大学イノベーションマネジメントスクール修了、東京理科大学大学院 総合科学技術経営研究科修了、同院イノベーション研究科修了。専門領域はサービスサイエンス・技術経営・知財マネジメントで、大学や国立研究開発法人、産学官コンソーシアムなどでも活動しながら公私にわたりサービス創造の視座より共創協働を推進している。主な著書に『知的財産イノベーション研究の展望』(白桃書房)など。

1.セコムオープンラボ@大学園祭:ワーク・予選

今回は、「セコムオープンラボ」の特別回として、学生チームを対象とした1dayのビジネスコンテストを実施。株式会社マイナビとの協働により、マイナビが主催する学生達の祭典「My Future Campus 大学園祭」の中で「セコムオープンラボ@大学園祭」を開催しました。未来を担う学生世代の自由な発想のもとで、革新的なビジネスプランの提案を議論することが目的です。
テーマは「2030年、日常のお困りごとを解決するセコムの新たなサービス事業を提案せよ!」。少し先の社会をベースに、学生達の目線から課題を発掘して、それを解決するための未来のプロダクトやサービスの探索しながらビジネスプランを構築します。学生チーム7枠にエントリーを受け付け、セコムとともに議論を進めました。
当日は、横浜大桟橋ホールを舞台に、事前に検討してきたテーマ分析に基づきビジネスプランを練り上げるワークを行い、そのまま予選、決勝、授賞式を実施。「My Future Campus “大学園祭”」会場内の「セコムオープンラボ@大学園祭」エリアにて、ワークと予選を行った後に、会場内メインステージにおいて開催趣旨をご紹介し、決勝プレゼンテーションと授賞式を行いました。1dayのビジネスコンテストとして朝から夕方までのスケジュールで、集中的に議論しました。
<参加チーム>
  • Keio Business Lab(慶應義塾大学チーム)
  • ボンバーヘッドセキュリティーズ(東京理科大学チーム)
  • なすびシスターズ(立教大学、慶應義塾大学、早稲田大学チーム)
  • The Ratindren(東京理科大学チーム)
  • チバーズ(千葉大学チーム)
  • チーム五角関係(東京大学チーム)
  • OZEXTREME(東京大学、神田外語大学、昭和女子大学チーム)
はじめに、沙魚川から、これまでの取り組みやビジネスプランニングの基本的なガイダンス、課題志向のフレームワークをオリエンテーションにてご紹介した後、当日までに進めてきた各チームのリサーチに基づき、セコムスタッフがメンタリングをしながら完成度を高めるワークを実施。参加チームは、開催当日までの間に、資料の提供や都度のフィードバックを行いながらテーマの分析を進めたうえで、プランのアイデアを用意。当日のワークでビジネスプランに昇華させていきます。
今回、海辺のホールということで、コーヒーブレイクのおやつには、色々なたい焼きをご用意。ランチボックスとコーヒーブレイクを挟みながら日中を通して賑やかに議論を議論を進めました。学生世代の視点と自由な発想から生まれる新しい切り口をともに議論しながら、2017年5月に発表した「セコムグループ2030年ビジョン」の「あんしんプラットフォーム」構想実現に向け、未来の社会とサービスを様々な角度から展望していきました。
予選では、セコムやマイナビの事業企画担当者からなる審査員4名による審査が行われ、ホール内のメインステージで行われる決勝プレゼンテーションに進む3チームを選出。
今回はアイデアソンではなくビジネスコンテストですから、アイデアだけでなく、「誰が顧客か」「どうステークホルダーに価値が循環していくか」「ビジネスモデルはどうか」も含めて審査されます。
審査基準は「テーマ分析度」「革新性」「実現可能性」「better society」の4項目。「2030年という時代観、セコム“ぽい”か、顧客と課題、粗削りでも尖った部分・驚きがあるか」といった点が評価の対象となりました。
審査の結果、予選では「ボンバーヘッドセキュリティーズ」「なすびシスターズ」「チバーズ」の3チームが選出され、決勝プレゼンテーションへと進出しました
ここで、各チームの提案ビジネスプランについて、そのエッセンスをご紹介します。
  • Keio Business Lab:【AIとビッグデータを活用した無人店舗セキュリティ】無人化が進む店舗での運営、来店するお客様の安全に関する課題を解決するサービス
  • ボンバーヘッドセキュリティーズ:【BOCノート(Backup Own Career)】フリーランスなど、働き方の多様化が進む社会において、「社会的信用」についての課題を解決するサービス
  • なすびシスターズ:【セコムあんしんシェアリング】シェアリングエコノミーが普及する為の基盤として、借り手の信頼性やトラブルについての課題を解決するサービス
  • The Ratindren:【JORAINING】日々の運動が不足しがちな中で、若い世代から運動に関する動機づけを行うサービス
  • チバーズ:【子どもの学びをセコムする】子どもの校外学習の重要性が増していく中で、親・教員の不安に関する課題を解決するサービス
  • チーム五角関係:【シェアリングファミリー】子育て・少子化・待機児童など、子どもの生育環境における課題を解決する新しい家族に関するサービス
  • OZEXTREME:【Rural eats】地方の伝統食の効果的な発信・消費を促すサービス

2.メインステージプレゼンテーション:開催趣旨 セコムオープンラボ総合ファシリテーター 沙魚川久史

私たちセコムは、創業以来、「誰もが安心して暮らせる社会」を目指しています。セコムといえばセキュリティ、と思われるかもしれませんが、それ以外にも病院運営支援などのメディカル事業、サイバーセキュリティなどBPO・ICT事業、防災、保険、地理情報サービス、不動産といった事業分野で新しいサービスを次々と生み出してきました。私たちがグループを通して取り組んでいるのは、社会の不安・お困りごとを解決しよう、ということ。つまり社会課題の解決です。
現在、社会が成熟化して豊かになるなかで、パーソナライズ化への嗜好が一層高まっています。大きな社会課題を解決することも重要である一方、一人ひとりの具体個別化するお困りごとに目を向けて、多様化する社会のニーズに応えるサービスをより多く、より早く生み出すことが必要となっているわけです。
社会のさまざまなお困りごとをできる限り早く解決したい。
私たちセコムは、この想いを実現するために、分野・業界を超えた多様な世代、多様な視座、多様な専門性で議論する「セコムオープンラボ」を定期開催し、様々なプレイヤーとの「創造的対話」を通じた共感を基礎に、社会と協働してサービス創造と社会実装を進めているところです。
社会に新しい価値を実装していくには、多様性が欠かせません。特に、未来を創るという文脈では、未来に生きる世代の価値観、課題感、不安、期待と情熱が重要になってきます。
それが、本イベント「セコムオープンラボ@大学園祭」の開催趣旨。学生世代だけで、未来を議論することに意味があります。今回のテーマは「2030年、日常のお困りごとを解決するセコムの新たなサービス事業を提案せよ!」。大事にしてほしいのは、何がお困りごとの本質なのか、つまり何が課題なのかです。課題だと捉える点が本当に正しいのであれば、どんな風に解決してもきっと幸せになれるからです。
私たちは、「ものづくり」の会社ではなく「サービス」の会社です。サービス事業というのは、ものすごく簡単に言うと、「モノを作って売る、のではなく、価値を体験できる環境を継続的に提供する」ということ。一時的ではなくお客様と継続的に長く繋がりながら、例えば「安心できる環境」を提供しつつ、時代にあわせて必要な技術を取り入れながらその価値をどんどん向上させていく、というような考え方です。
ですから私たちは、技術から考えるのではなくサービスからものごとを考えることを重視しています。今回のビジネスコンテストでも、世の中にとって、お客様にとっての大事なものは何かというところから考えることを出発点にして各チームと議論をして参りました。
参加する皆様も、聞く皆様も、私たちも、いろいろな学びと気づきが得られる場になるだろうと楽しみにしています。大学園祭という大勢の学生が集うなかで「セコムオープンラボ」を開催することで、「イノベーション」を体言できる挑戦的なビジネスプランが生み出されること、また本日の提案アイデアをきっかけにして皆様のなかでさらに刺激的なアイデアが創造されることを期待しています。

3.メインステージプレゼンテーション:決勝・受賞式

決勝プレゼンテーションでは、沙魚川から本イベントの開催趣旨をフロアにご紹介するプレゼンテーションがあり、その後に、決勝3チームの紹介とプレゼンテーションを実施。審査員4名により、グランプリ1チームとセコム特別賞1チームを選出します。
審査の結果、グランプリには「なすびシスターズ」が選出され、沙魚川から表彰ボードとともに奨学金20万円を贈呈。審査講評などが行われました。
また、セコム特別賞は「ボンバーヘッドセキュリティーズ」が獲得。副賞として「セコムの食」選べるギフト券5,000円分をメンバーそれぞれに贈呈して、表彰しました。
各チームの提案プランは、いずれも学生世代らしいチャレンジングな視角からインサイトを掘り起こすもので、2030年の「安全・安心」についていろいろな切り口が見えてきました。
その後、ステージ上では、各チームのビジネスプランについて全体講評が行われ、プレゼンテーションにおける共感と課題の説得力が話題になり、参加者とともに振り返りが行われました。「安全・安心」はいろいろな領域に関わるもので、セコムも様々なサービス創造を進めてきましたが、今回は“個”にフォーカスした課題が多く見られたのが特徴的でした。
終了後も、受賞したチームや惜しくも受賞を逃した参加チームは、思い思いに当日の発想や興奮について対話を続けており、さまざまな議論の共有が生まれていました。また、参加者同士や見学者との交流も生まれ、セコムだけでなく、参加した皆様それぞれが、新たな“気づき・きっかけ”を得る場となりました。

最後に、今回のコンテストで優勝した「なすびシスターズ」のメンバーに感想を伺いましたので、ご紹介します(学年は開催時のものです)。

<淀縄 愛さん 立教大学 経営学部3年生>
事前に告知されていたテーマに対して、できる限りの準備はして臨みました。でも実際にセコムの方々の思いや考えている方向性は今日のオリエンまで知りませんでしたので、そこで柔軟に対応できるような準備をしてきたのがよかったのかなと思います。私はこれまで身近な人とばかりコンテストに出ていました。今回はまったくちがうバックグラウンドのメンバーでやってみて、大変でしたけどちがうやり方、ちがう捉え方に出会えてとても刺激的でした。難しいテーマでしたが、アイデアありきではなく、しっかりと「本当の課題はなにか」を吟味してからアイデアを考えられた部分に自分としての成長も感じました。
<北浦 俊さん 慶應義塾大学 法学部3年生>
優勝にはとてもびっくりしています。ほかのチームのアイデアもみんなレベルが高かったのでまさか優勝できるとは思いませんでしたので、とてもうれしいです。
自分としては将来企画という仕事をしてみたいので、そのための腕試しとしてできるだけこういったビジネスコンテストには出るようにしています。今回はじめてのメンバーでの参加でしたが、それぞれが人ごとにせず、責任感をもって取り組めたのが勝因だと思います。
<富田 真代さん 早稲田大学 国際教養学部2年生>
前回、別のビジネスコンテストの場で二人と会い、ぜひこの人たちと一緒にやってみたいと思い、声をかけチームを作りました。結果として優勝したのはもちろんうれしいですが、こういう形でチームを組んだメンバーでしっかり取り組めたことの方がうれしいですね。私は今回で2回目の参加でしたが、大学時代に掴みたいと思っていた「手ごたえ」のようなものを今回掴めた気がします。今後もこういう手ごたえをつかめるよう続けていきたいです。

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