今回は夏のイベントとして、「デジタルネイティブ時代」をテーマに、昨夏にも開催し好評を得た、学生参加者約30人と企業人参加者約50人とによるアイデアディスカッションを開催しました。
「デジタルネイティブ時代」とは、ここでは、社会全体が向かいつつある時代感として、物心ついたときからインターネットが当たり前にあり、ネットワークツールの価値に慣れ親しみながら育った世代による、「新しい時代感」を指しています。
世代や背景・価値観が異なる多種多様な参加者によって大きく異なる感性を交換しながら、「新しい世代が持つ“新しい不安”」や、「新しい時代感やネットワークの中で求められる“新しいあんしん”」についての議論が展開されました。
世代間でゲームや議論を通じて価値観の違いや未来の生活について考えることで、既に起きている社会の変化や新しい時代の兆し・気配に関する気づきを得る場として、盛会に開催することができました。
2017年7月26日(水) 17:00〜20:00
セコムオープンラボ総合ファシリテーター。東京理科大学 総合研究院 客員准教授、国研 科学技術振興機構 専門委員、ものこと双発協議会 事務局長。
セコムの研究開発部門を経てセコム科学技術振興財団事業部長として研究助成プログラムを推進した後、セコム本社企画部主任にてセコムのオープンイノベーションを推進。東京大学イノベーションマネジメントスクール修了、東京理科大学大学院総合科学技術経営研究科修了、東京理科大学大学院イノベーション研究科修了。専門領域は技術経営で、大学や国立研究開発法人、産学官コンソーシアムなどでも活動しながらサービス創造の視座より産学官の連携を推進している。近著は「Changes in Business Fields and Technological Fields along with the Advancement of IoT」(特許庁・みずほ情報総研,2017年)。
今回は、昨夏も開催して好評を得た夏のイベントとして、「デジタルネイティブ時代のあんしん感」と題し、大学生/大学院からの参加者30人と様々な企業からの参加者約50人とによるアイデアディスカッションを開催しました。デジタル化とインターネットと絶え間ないつながりとが空気のように当たり前になった時代/新しい世代の価値観について、新しい消費世代を交えて感性や価値観を交換する対話を行い、新しい時代に求められるものを議論することが目的です。
また、今回の開催では「デジタルネイティブ」に焦点を当てているということもあって、デジタルネイティブ世代を意識したフォトジェニックな軽食を用意。軽食のテーマは「原宿2017」に設定して、原宿のこの夏のトレンドになりそうな飲料と断面が華やかなサンドイッチを用意しました。まさに世代間のギャップを五感で体験するケースとして楽しみながら、賑やかに議論を進めました。
コーヒーブレイクタイムを挟んだ後のワークショップ後半では、前半のワークで出てきた課題を踏まえ、グループごとに「解決アイデア(デジタルネイティブ時代に向けて新しい安心感を生む、プロダクトやサービス)」の探索を行いました。前半に議論された課題や他のグループで出てきた課題を融合し、世代間の感性のギャップを取り込んで、未来の社会に求められるアイデアへと繋がっていきました。
最後に、各テーブルでの議論の成果を発表して参加者にシェアし、全員で投票。投票の結果、高く評価されたテーブルを「最優秀共感賞」と「優秀共感賞」として表彰しました。賞に選ばれたテーブルのメンバーには、それぞれに「セコムの食」を副賞としてお贈りしました。
今回のセコムオープンラボは、デジタルネイティブ世代の代表となる学生世代と企業人とが議論をし、対話を深めることで、思考の背後にある感性など新しい文化的価値観を吸収して新しい時代の兆し・気配が感じられる内容となりました。社会が目まぐるしく変化し、求められるものが多様化する中で、様々な背景を持つ参加者による議論を通じて、参加者全員に新たな“気づき・きっかけ”を持ち帰っていただけたことと思います。また、世代を超えた新しいつながりが生まれる交流の場にもなりました。