医療情報サテライト

Vol.5 脳の活性化とは? 第2回(全3回)

監修/築山 節先生
こんなもの忘れは笑っていられない
~乱れた食生活は脳の機能低下を招く危険因子を増やす~
脳の機能が下がる原因には、大きく分けて次の3つがあります。(1)脳そのものに問題が起こる、(2)脳にエネルギーを運ぶ血液の供給に問題が起こる、(3)脳が使われない状態が長く続く(廃用症候群)、です。
脳出血や脳梗塞など、脳自体に病気が起きれば、当然、脳の働きに影響します。また、脳に活動のエネルギーを十分に供給できなければ、脳は元気に働くことができません。そして、脳は使わなければ働きません。これらのうちのいずれかに問題が起これば、脳は働けなくなります。
過食、脂肪や塩分の多すぎる食事など、動脈硬化を招きやすい食生活は、脳血管障害や循環器系の病気の要因になり、ボケの危険も増やすといえます。深酒もボケにつながる要因です。
脳の機能低下には、食生活をはじめとするふだんの生活習慣が大きく影響しているのです。生理的な老化は避けられなくても、生活習慣は変えることができます。危険因子をひとつひとつ減らしていくことが、ボケを遠ざけることになるはずです。

~便利で楽な生活が脳の機能を低下させている~
脳は使われないほどボケやすくなります。 「便利で楽な現代の生活は脳にとってあやうい環境」です
。ワープロを使うようになったら漢字を書けなくなったというのはよく聞く話です。同じように目にしているはずでも、使う漢字を考えて書くという行為を省いていると、そのぶん脳は使われなくなっているのです。
脳が使われていない理由は人によってさまざまですが、脳のどこかが休んでいる状態が続けば、ボケへの道を進んでいることになります。
脳は体の機能を調節する司令塔でもあるわけですから、脳の機能が低下すれば体も衰えます。心身ともに元気に過ごすためにも脳を活性化したいものです。



第1回
第2回
第3回
こんなもの忘れは笑っていられない
ボケやすい原因は普段の生活のなかにある
築山 節先生プロフィール