医療情報サテライト

Vol.24 夜間頻尿とは? 第3回(全3回)

監修/平野敦之先生
夜間頻尿の治療方法とは?(2)
~Q2:膀胱容量の減少をきたす疾患とその治療法は?~
A2: 以下のような治療方法があります。

1) 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症、膀胱頚部硬化症)
1.

薬物治療:α遮断剤(前立腺部の尿道を拡張させるとともに膀胱の緊張を抑える作用があります)、ノコギリヤシ(サプリメントとして購入できます)、フィナステリド(脱毛治療薬として本邦発売予定、前立腺肥大症に対しては未承認)など

2. 手術療法:経尿道的前立腺切除術(TUR-p、尿道から内視鏡を用いて肥大した前立腺を電気的に切除する手術)などがありますが、手術療法では頻尿の改善率は低いので、治療を選択をする場合には医師の説明を十分聞いてからにしましょう。

2) 過活動膀胱、知覚性尿路切迫:
1.

薬物療法:抗コリン剤(膀胱の排尿筋の緊張を抑え、尿をためやすくします)、α遮断剤など。

2. 行動療法:生活指導(刺激物などの摂取を避ける食事指導、ストレスの回避など)、膀胱訓練(尿意を我慢することにより、膀胱容量を増加させる方法)があります。
3. 理学療法:骨盤体操(肛門を締めるようにして、骨盤低筋群=尿道括約筋を鍛える方法)、干渉低周波治療、電気刺激療法など

3) 原発性膀胱疾患(膀胱炎、膀胱腫瘍、膀胱結石など)
薬物療法、手術療法など原因疾患に応じた治療を早急に行う必要があります。


※注

いずれの疾患も正しい診断のもとで行われる治療ですので、必ず泌尿器科専門医にご相談の上、治療を行ってください。


夜間頻尿とは?
第1回
第2回
第3回
夜間頻尿の治療方法とは?(1)
夜間頻尿の治療方法とは?(2)
平野敦之先生プロフィール