

最近、あなたは夜、尿意を催して、排尿のために起きるようになっていませんか?
「以前は朝までぐっすり眠れたのに、年のせいだから仕方がない」と諦めていませんか?「病院(泌尿器科)に行くのは恥ずかしい」とためらっていませんか?
夜間の頻尿は、従来は男性の前立腺肥大症に特徴的な初期症状として考えられていましたが、最近では男女を問わず高齢者になるほど多くなる症状と認識されてきています。
また、夜間頻尿を放置していますと、夜間の不眠から昼間の眠気を引き起こし、日常生活活動の低下から生活の質(QOL)にも大きな影響を与えます。
夜間頻尿の原因は複雑で、なかなか改善しにくい方もいらっしゃいますが、今日ではその診断ならびに治療も進歩してきています。
諦めずに、そして恥ずかしがらずに早く病院を受診することをお勧めします。
このコーナーでは、病院を受診されるまえに、知っていただいておくといい情報に関してQ&A方式でお答えしますので、ご参考にしていただけましたら、幸いです。
Q: |
夜何回おしっこに起きると「夜間頻尿」なの(夜間頻尿の定義は)? |
A: |
国際禁制学会(ICS)の定義では、「睡眠中1回以上の排尿による覚醒」とされており、毎日決まって1回以上排尿のために、目が覚めるようになったら、要注意と言えます。
特に2回以上起きるような方は、睡眠障害を来たし、種々のからだの不調につながるため、早めに病院を受診した方がいいでしょう。
お酒を飲んだ日や水分を多めに取った日など、たまに行くくらいなら大丈夫だと思います。 |
Q: |
夜間頻尿の原因として、どんな病気が考えられるのですか? |
A: |
大きく分けて以下の3つに分類されます。
(1) |
夜間多尿:夜間睡眠中に尿がたくさん作られる状態になるため、頻尿になります。
排尿記録(1日の排尿時間、1回尿量などを記録したもの:詳細については次回に説明いたします)をもとに、睡眠中の尿量が1日尿量の35%を超える場合には、夜間多尿と診断されます。 |
(2) |
機能的膀胱容量の減少:何らかの病気により、膀胱(尿をためる袋)の容量が減少するために、頻尿になります。
排尿記録上、1回尿量が常に200mlを下回る場合には膀胱容量の減少が疑われます。 |
(3) |
混合型夜間頻尿:上記の(1)と(2)の両方の要素が加わったために、頻尿になります。
一番やっかいな状態と言えます。 |
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