
表1に夜間多尿、表2に機能的膀胱容量の減少を来たす原因として考えられるものを列挙しますが、医学的な用語が多く、少しわかりにくいと思われます。詳細については病院で医師にお尋ね下さい。
1. |
夜間/日中の尿産生量の逆転 |
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● バソプレッシン(抗利尿ホルモン)分泌の日内変動の消失
● 閉塞性睡眠時無呼吸→心房性ナトリウム排泄ペプタイドの分泌増加による
(肥満、末端肥大症、喘息、高血圧、成人型糖尿病、頭蓋顔面異常では、30~40%)
● 高血圧症→夜間の尿中ナトリウム排泄量の増加→夜間尿量増加 |
2. |
多飲 |
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● 多渇症
● 糖尿病、尿崩症
● 過度の水分摂取(特に夜間の) |
3. |
下肢サードスペースへの体液貯留 |
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● 心機能の低下:うっ血性心不全
● 下肢静脈うっ滞
● 過度の塩分摂取
● 低アルブミン血症
● ネフローゼ症候群 |
4. |
その他 |
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● 夜間の利尿剤服用
● アルコールやカフェインの摂取 |

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● 加齢→膀胱の萎縮(線維化)による伸展性低下
● 下部尿路閉塞(前立腺肥大症、膀胱頚部硬化症)
● 低活動排尿筋
● 過活動膀胱
● 神経因性膀胱
● 膀胱炎(細菌性、間質性、結核性、放射線性)
● 下部尿路結石(膀胱結石、尿道結石)
● 下部尿路悪性疾患(膀胱、前立腺、尿道)
● 不安神経症
● 薬剤性(テオフィリン、カフェイン、βブロッカー) |
次回は「夜間頻尿」の診断について、お話します。
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