第417回 インターネット通販のトラブルを未然に防ぐには
インターネット通販の便利さの裏側でトラブルが起きていることも事実です。国民生活センターには、インターネット通販にまつわる詐欺などの相談が多数寄せられています。
トラブルを回避して安全で楽しいネットショッピングを行うためには、どのようなポイントに注意すればいいのでしょうか?
実際にあったトラブルを参考にまとめます。
トラブル事例1:商品が届かない、偽物が届いた
インターネット通販の普及にともない、悪質なサイトも増加しています。
なかには正規サイトとそっくりな偽サイトもあるようです。
実際に次のような被害が確認されています。
・音楽機器をクレジットカードで購入したが、いつまで経っても商品が発送されず連絡も取れない
・スニーカーを注文し、代金を個人名義の銀行口座に振り込んだところ、粗悪な商品が海外から届いた。販売店にメールで返品を申し出たが、返信が来ない
<ココに注意!悪質通販サイトを見分けるポイント>
●日本語が不自然
サイト内の日本語が不自然、機械的な翻訳のようにぎこちないなどといった場合、正規ブランドに成りすました詐欺サイトの可能性があります。
●商品価格に注意
ブランド、メーカー品で価格が通常より極端に安い場合、正規品ではない可能性があります。
また、市場では在庫がなく希少な商品が売られている場合も、偽物を疑いましょう。
●代金の支払い先に注意
サイト運営者と振込先の口座名義人が同じかどうかを確認し、異なる場合は振り込まないなど警戒が必要です。銀行口座の名義が個人の場合は特に注意しましょう。
●キャンセル、返品・返金ルールに注意
サイト内に必ず記載があるはずです。
どこにも書かれていない場合、返品・返金に応じてくれないなど、トラブルになる可能性があります。
●事業者情報に注意
サイト事業者の名称、所在地、電話番号が明確に表記されていない場合、実体のない企業が運営している可能性があります。
電話番号は実際に電話して、つながるのか確認したほうが安心です。
そのほか、国民生活センターでは、「悪質な通販サイト情報」を公表しています。
「あやしい」と感じたときは、該当していないか確認することをおすすめします。
悪質な通販サイトでは、個人情報の流出、悪用のリスクも否定できません。
「安いから」「偽物でも欲しい」と安易に利用するのは控えましょう。
トラブル事例2:「お試し購入」の落とし穴
SNSやインターネット広告で「お試し価格」や「初回無料」といった魅力的な文言をよく見かけます。
お試しのつもりで頼んだ商品が、「実は定期購入契約になっていた」というトラブルがあとを絶ちません。
解約手続きが煩雑にされていることも多いようです。
・SNSの広告を見てダイエットサプリを購入。お試しで1袋だけ注文したつもりだったが、代金を支払ったあと2回目の商品が届いた。事業者に電話をかけ解約を申し出ると「6回の購入が条件のコース」と言われ、定期購入だったと判明した。
<ココに注意!定期購入トラブルを回避するポイント>
●契約条件を確認する
広告内、広告からのリンク先などに、契約条件が記載されているはずです。
「定期しばり無し」「いつでも解約可能」など目立つ文字だけに惑わされず、契約条件の詳細をよく確認してください。
●口コミをチェック
販売メーカーのサイトのみではなく、インターネット検索などで評判や口コミを確認してみましょう。
「電話がつながらない」「なかなか解約できない」などトラブルを感じさせる口コミがあったときは、購入を再考したほうが良いでしょう。
●最終確認画面を保存
注文ボタンを押す前に、契約条件や料金が記載された最終確認画面にしっかり目を通しましょう。
スクリーンショットや写真を撮って保存しておくと、あとから内容を確認しやすくトラブル回避に役立ちます。
契約の証拠として役立つことがあるので、保存を習慣化することをおすすめします。
もしもインターネット通販でトラブルに巻き込まれたら
消費者トラブルの被害にあった場合は、迅速な対応がトラブル解決のカギとなります。
落ち着いて、次の手順を実践しましょう。
●決済機関に即!連絡
まずは銀行やクレジットカード会社に、詐欺の可能性や解約トラブルについて連絡してください。
カードの利用停止や支払いの差し止めなど、早急な対応を取ってもらえる場合があります。
●専門窓口の活用
・消費者ホットライン「188(いやや!)」番
全国共通の相談窓口の電話番号で、最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。
・海外通販の場合は「越境消費者センター(CCJ)」
海外事業者との間での取引でトラブルにあった消費者のための相談窓口。
オンラインで相談や対応を依頼することが可能です。
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インターネット通販は便利ですが、リスクもあることを意識しておくことが大事。
不自然なサイトや広告を察知する知識と慎重さが求められます。
トラブルに巻き込まれないよう注意しながら、ネットショッピングを楽しんでくださいね!
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