第206回【インタビュー】インターネットショッピングでのトラブル回避について今すぐできる対策とは?後編(なりすましECサイト詐欺)
こんにちは。すっかり初夏の陽気で、紫外線防止のためにさまざまな日焼け止めを試しています。インターネットで検索するとたくさんの種類がありますが、気になったものをすぐに購入できるので便利ですよね。日焼け対策だけでなく、インターネットショッピング対策もできる「防犯女子」になりましょう。
2016.5.25更新
前回のコラムでは、インターネットショッピングを利用するときに注意すべきフィッシング詐欺の対策について教えていただきました。引き続き今回は、セコムトラストシステムズ(株)の中川恵理子さんと稲葉 悠さんになりすましECサイト詐欺について、伺いました。
- プロフィール
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◆セコムトラストシステムズ株式会社
中川恵理子さん(写真右)2012年入社。認証業務に従事している。
行政手続きで使用する電子証明書提供サービス等を担当。
◆セコムトラストシステムズ株式会社
稲葉 悠さん(写真左)2014年10月入社。
サイバー攻撃の手口調査・解析、対策検討およびサイバーセキュリティ事故の緊急対処など、サイバー攻撃に関する教育・啓発活動を行っている。
なりすましECサイト詐欺の手口と対策
- なりすましECサイト詐欺とは、具体的にどのような詐欺ですか。
- なりすましECサイト詐欺とは、大手のインターネット通販サイトの模倣サイトとして作成された、いわゆる"偽サイト"であることに気づかず注文してしまい、代金を事前に銀行振り込みで支払ったにもかかわらず商品が届かない、または別の商品が届くなどというトラブルです。欲しい商品だからといってすぐに購入手続きを行うのではなく、まずは取引するショップが信頼できるかどうかをしっかり確認することが大切です。
- 信頼できるかどうかを確認するには、どのようなポイントがありますか。
- 通販サイトを運営する会社が実在するかを判断するために、まずは会社所在地や電話番号の確認を行うことが大切です。さらに、加えて、下記項目も重要なチェックポイントになりますので、合わせて確認するようにしましょう。
・大手通販サイト、もしくは大手通販サイトに属していること
・商品が適正な価格であること
・複数の支払方法が選択できること
本物そっくりに作り込まれた
なりすましECサイトに注意
値段が異常に安かったり、他の店舗では売り切れなのに在庫がある場合や、支払方法が銀行振り込みのみであったり、振込口座が個人名義の口座である場合は特に注意が必要です。また、こういった詐欺は日本国内に限ったことではないので、購入後に届いたメールが文字化けしていたり、日本語がおかしい場合も、なりすましECサイト(偽サイト)の可能性が考えられます。少しでも怪しいなと思ったら、購入しないようにしましょう。また、事前になりすましECサイトではないかどうかをインターネットで検索してみることも大切です。
- 買いたい気持ちが強く、なかなかそこまで確認していない人も少なくないはず。では、一度購入したサイト内であれば安心ですね。
- 一度購入した正しいサイトをWebブラウザでブックマークしておき、アクセスすれば安心ですね。また、商品を購入した際にメールマガジンの登録も合わせて行った場合は、そのアドレスが分かるように事前に自分で登録しておくようにしましょう。最近は大手通販サイトのメルマガと見せかけて配信し、偽サイトへ誘導する手口もあるので、届いたメールを全て安全だと思い込むのは大変危険です。自分自身が、どの会社のメルマガに登録したかをしっかりと把握し、関係のないメールアドレスから悪質なメールを受信しないよう、メールの受信設定も行ってくださいね。
- 気をつけていても、万が一、被害に遭ってしまった場合は、どうすればいいでしょうか。
- 被害の金額が少額でも一人で悩まず、すぐに警察や代金を振り込んだ銀行、利用したカード会社に連絡してください。銀行はお金をだまし取られた場合、すぐにその口座を凍結してくれるので、ケースによってはお金が戻ってくる可能性があります。そしてなにより、さらなる被害者を増やさないことにも繋がります。また、詐欺に遭った際に登録したIDやパスワードの個人情報はすでに盗まれている可能性があるので、すぐに変更しましょう。
たとえ少額の被害でも、警察に届ける勇気が大切だと説明してくれた中川恵理子さん
- 最後に読者のみなさんにメッセージをいただけますか。
- 最近のインターネットを利用した詐欺の手口は巧妙化されていて、誰しもが詐欺に遭う危険性があります。便利で楽しいインターネットショッピングですが、日ごろから個人情報の管理を徹底し、購入前の確認を十分行うことで、安全に利用してくださいね。
ネットショッピングは便利で楽しいものですが、結果、悲しいことにならないよう、しっかり購入前確認ができる「防犯女子」を目指しましょう。
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