
第432回 ストーカー被害からの自己防衛ガイド
ストーカー被害の実態
警察庁の統計によると、2024年のストーカー規制法違反の検挙件数は、前年比24%増の1,341件で過去最多となっています。
また同年のストーカー規制法に基づく警告は、1,479件、禁止命令等は初めて2,000件を超え、2,415件に達しました。
相談件数は年間およそ2万件と高い水準が続いており、警察も再発防止や制度の見直しに取り組んでいます。
背景として、近年「居場所を知る手段」が増えていること、その精度が高まっていることなどがあげられそうです。
・SNSの投稿写真に含まれる位置情報や背景情報
・スマートフォンに残された「位置共有」設定
・紛失防止用のスマートタグなどの小型のGPS機器
便利な機能も悪用されると行動や居場所を把握されることにつながりかねません。
ストーカー被害のリスクを高める可能性があることを意識しておきたいところです。
ストーカーはなぜ起きる?なぜ狙われるのか
ストーカー行為が特別なトラブルから生まれているわけではありません。
ほんの小さなすれ違いや、きっかけからはじまることが少なくないのです。
・元恋人や知人との関係がこじれたとき
元恋人からの復縁要求、知人からの交際希望がこじれ、「諦められない」「無視された」などと執着や逆恨みに発展するケース。
・SNSでの投稿ややりとりから
「いいね」やDMから一方的に好意を持たれたり、投稿内容で生活パターンを把握されたりする。
・日常のなかで一方的に親近感を持たれることも
通学路や通勤路、職場、コンビニなど、顔を見かける程度の相手から一方的に好意を持たれたり、「自分に気がある」と思い込み接近したりしてくる事例も。
日常生活のなかで、誰でも巻き込まれる可能性があることを忘れないでください。
まずはそのことを知っておくことが、自分を守る第一歩です。
ストーカー被害から身を守る「自己防衛対策」
ストーカー被害を防ぐには、日ごろの行動や習慣のなかで気をつけられることがあります。
「おかしいな」「いつもと違うかも」と感じる感覚を大事にしながら、自分の生活を守る意識を持ちましょう。
【ストーカーに「隙」を与えない】
・帰宅ルートや時間はパターン化しない。同じ道を毎日通るのではなく、人通りの多い道や店舗、交番の近くを選ぶ
・夜道ではイヤホンで音楽を聴きながら、スマホを操作しながらの「ながら歩き」を避け、周囲の気配に警戒する
・建物に入る前、鍵を開ける前に、一度後ろを振り返って周囲を確認する習慣を
・誰かにつけられていると感じたら、自宅に直行せず、すぐに店舗や交番などに入る
【SNSやスマホから「情報」を渡さない】
・リアルタイムの位置情報投稿は避け、投稿の公開範囲やフォロワー設定は定期的に見直しを
・写真の背景やタグに注意する(行動範囲や通勤ルートがわかってしまうことも)
・スマホの「データ共有」「位置共有」「アクセス許可アプリ」など、不要な機能はオフに
【ちょっとした「違和感」に敏感になる】
・バッグなどの持ち物や自転車に不審な機器やタグが付いていないか定期的に確認を
・急に届いた贈り物、部屋の配置が変わっているなどは盗撮や盗聴のサインかも
・SNSのDM、無言電話、不自然な接触など、記録を取りつつ早めに警察に相談を
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ストーカーの気配を感じたら様子見をせず、#9110や最寄りの警察に相談してください。
被害の深刻化を防ぐには、相手を刺激せず、証拠を残しながら冷静に対応することが重要です。
ひとりでは不安なときは、信頼できる友人や家族に力になってもらうことも大切。
一緒に行動してもらう、居場所を常に共有するなどして、少しでもリスクを回避しましょう。
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