第30回 ひったくりワーストワンが大阪から千葉へ
こんにちは。立春を過ぎ、暦の上では"春"となりましたが、寒い日が続きますね。日が暮れるのもまだまだ早いこの時期。暗い夜道には危険がいっぱいです。通勤で慣れた道といっても、犯罪の被害に遭わないとは言い切れません。でも、一人ひとりが防犯意識を持つだけで、被害に遭う確率を低くすることができます。寒さに気をとられることなく、いつでも防犯意識を持っていてくださいね!
2011.2.7更新
先日、大阪府が"ひったくりワーストワン"を35年ぶりに返上したと警察庁が発表しました。その陰には、ひったくり対策の地道な取り組みがあったようです。ひったくりの被害者は約9割が女性といいます(2009年警察庁調べ)。大阪府の例を参考に、自分でできる防犯対策から始めて、被害に遭わないよう注意しましょう。
"34年連続ワーストワン"返上のヒミツ
大阪府は、34年連続で全国ひったくり認知件数ワーストワンと不名誉な記録を更新していました。そこで、一人ひとりの防犯意識を高めるために、ケーブルテレビでの呼びかけや、ひったくり防止カバーの無料配布、さらには、毎月11日を「ひったくり防止デー」とし、官民一体の活動を進めてきたそうです。その甲斐あって、ひったくり認知件数が2009年の3,168件から2010年は2,136件と、1,000件近く減少。ワーストワンの汚名返上となったわけです。
一方、今回、大阪府に代わってワーストワンになった千葉県では、2010年中に2,188件のひったくりが発生し、大阪府を52件上回りました。ただ、千葉県でも、ひったくりが増えている都市部には、専従捜査員を集中的に導入するなどの対策を取り、ひったくり認知件数は、前年に比べ1%減少しているんです。ワーストワンからすぐに脱却できるよう、今年に入ってからは「ひったくり検挙対策プロジェクトチーム」を立ち上げ防犯対策をさらに強化しています。
大阪に学ぶ、ひったくり対策のポイント
自転車に乗るときは |
ワーストワンが長く続いていた大阪では、防犯カメラの設置や常習犯の逮捕により犯罪を増やさない対策も講じてきました。しかし、それだけでなく、府民の皆さんが、自分たちの街はひったくりが多いと認識し、防犯意識が高まったことも、今回のひったくり件数減少につながっているようです。大阪で無料配布されたひったくり防止カバーなどは、比較的手軽な値段で購入できますし、道路を歩くときは車道側ではなく建物側を歩くなど、今すぐできる防犯対策があります。まず、できることから始めてみましょう。
このほか、具体的なひったくり対策は「防犯対策ファイル」をご覧になってみてください。
ただ、間違った防犯対策には注意が必要です。たとえば、バッグの持ち手を手に巻きつけたり、自転車のハンドルに巻きつけたりしている人を見かけます。これは、被害に遭ったときに転倒する恐れがあり、とても危険です。また、ひったくりの被害に遭うのは、ひとりで夜道を歩いているときばかりではありません。集団でおしゃべりに夢中になっているときに被害に遭うこともあるんですよ!お友達と一緒だから"安心"ということはありません。いつでも防犯対策を意識して歩いてくださいね。
実際に、ひったくりに遭ってしまうと、物がなくなるだけでなく、個人情報を流出させてしまうこともあります。たとえば、携帯電話。携帯電話には友人の連絡先など、たくさんの個人情報が登録されていますよね。携帯電話を盗まれると、さらなる犯罪につながることだって考えられます。
また、女性は男性と違って、お財布や携帯電話、自宅の鍵などの貴重品をすべてバッグに入れていることが多いため、バッグを盗られると、多くのものを失ってしまいます。ときにはケガをする危険もありますし、心にも深い傷を残すことになりかねません。
貴重品はできるだけ別々に持ち歩く工夫をし、トートバッグは、狙われにくいようにスカーフやバッグインバッグなどを利用して、中身が見えないようにしましょう。
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