第153回 【インタビュー】警視庁ストーカー対策室に聞く、ストーカー対策<後編> ~ストーカーかも?と思ったら・・・適切な対処法~
こんにちは。いよいよ新年度がスタートしましたね。この春から新生活を始めた人にとっては、しばらくは新しいことばかりで、期待と不安でいっぱいかもしれません。でも、見上げれば、桜の花が微笑みかけてくれているような・・・・。今年は、桜の開花が遅かったこともあり、まだまだこれからというところもありますよね。桜を見上げていると、スタートの季節だと感じる私です。
2014.4.2更新
なかなか減らないストーカー被害。前回のコラムでは、ストーカーの現状と被害に遭わないための対策について警視庁ストーカー対策室の宮﨑真紀警部と臼田浩子警部補に伺いました。引き続き、今回は「ストーカーかも?」と、感じた時の対処法について教えていただきました。
- お二人のご紹介
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警視庁生活安全部生活安全総務課
ストーカー対策室規制係長 宮﨑真紀警部(左)警視庁生活安全部生活安全総務課
ストーカー対策室規制係 臼田浩子警部補(右)
もし「ストーカーかも?」と思ったら
- 前回は、ストーカー被害に遭わないための対策を教えていただきましたが、すでに「ストーカーされているかも?」という場合は、どうすればいいでしょうか。
- 宮﨑警部:まずは、最寄りの警察署に相談してください。その際、相手からきたメールや電話の内容を保存してお持ちいただくと、より具体的に相談にのることができます。
そのようなメールや電話の録音は「気持ち悪いから」と消去してしまう方もいらっしゃいますが、「もしかしたら?」と思ったらいざという時のために保存しておき、証拠として提出していただきたいですね。
SNSのやりとりでも、脅迫めいた言葉や乱暴な言葉が連続して書き込まれるようであれば、ストーカー規制法の取り締まり対象となることもありますので、「これはどうかな?」と迷うようであれば、記録を残しておくようにしましょう。
「一人で悩まず、まずはだれかに相談してください」と
宮﨑警部(手前)と臼田警部補(奥)
- 警察に相談した場合、どのような対応をしていただけるのでしょうか。
- 臼田警部補:状況をお聞きして、警察から加害者に対して「これ以上ストーカー行為をしないように」と口頭や書面で警告をすることができます。それでもストーカー行為が続くような場合は、東京都公安委員会から「ストーカー行為をやめなさい」という禁止命令を出すこともできます。それでも続くなら逮捕ということになりますし、禁止命令などによらずに、直接ストーカー規制法違反で加害者を逮捕することもできます。
また、ストーカー行為と同時に脅迫されたり暴行を振るわれたりした場合は、刑事事件として逮捕することもできます。 - 宮﨑警部:被害者の方が身の危険を感じて「すぐに逃げたい」「身を隠したい」などという場合には、加害者が知らない場所への避難のお手伝いをします。適当な避難先がない場合は、自治体や支援組織の施設をご紹介したり、自治体が行う住民基本台帳の閲覧制限手続きの支援を行ったりもします。
ストーカー行為は、いつ凶悪化するかわからないので、警察では被害者の方の身の安全を第一に考えて、各種支援を行っています。
エスカレートする前に相談を
- 「警察に通報したら相手が逆上するかも」と不安に思う方もいるようですが、1人で悩むのではなく、早めに相談したほうがいいのですね。
- 宮﨑警部:そうですね。相手のストーカー行為が自然に収まってくれるのではないかと期待したい気持ちもわかりますが、ストーカー行為は放っておくとどんどんエスカレートする場合があります。
前回お話したように、まずは相手に「もう愛情はありません」「交際するつもりはありません」「メールや電話はとても迷惑ですし怖いので、今後一切やめてください」などとはっきりと伝え、早めに警察に相談してください。なにか起こってしまう前に相談することが大切です。
- 臼田警部補:いきなり警察に相談するのは気が引けるという場合は、身近な人に相談することをお勧めします。誰かに相談することで、精神的に楽になりますし協力をしてもらうこともできます。
また、最近では、スマートフォンのGPSアプリや警備会社の安価で個人契約できるサービスなど、いろいろな防犯ツールがありますね。ストーカーから自分の身を守ろうという強い意識を持つことも大切なことだと思います。 - 最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
- 宮﨑警部:ストーカー行為はれっきとした犯罪です。1人で悩まず、エスカレートする前に警察に相談してください。警察に行きづらかったら、まずは信頼できる身近な人に話を聞いてもらいましょう。
- 臼田警部補:誰かに相談することによって、自分1人で考えるよりも解決への選択肢が増えます。ぜひ早めに相談してください。
- 1人で悩みがちなストーカー被害ですが、まず誰かに状況を聞いてもらうということが大切だと、改めて感じました。「防犯女子」として、被害に遭わないように心がけるとともに、「もしかして?」と思ったら、すぐに相談するようにして、自分の身を守りましょう。
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