防犯 2019年02月06日

第274回 必見!女性を狙う新たな犯罪と、自分の身を守るための対策とは

今年もインフルエンザが猛威を振るっています。皆さんや、皆さんの周りの方々は大丈夫でしょうか?マスクや手洗いはもちろんですが、普段からの体調管理も大切です。私は、旬の野菜や果物をおいしく食べて、免疫力アップを心がけています。
日常生活に潜むリスクは、インフルエンザ感染だけではありません。防犯意識も忘れないようにしましょう。女性は狙われやすいということを、いつも意識することが肝心。今回は、最近懸念されている、女性にとって気がかりな犯罪手口をまとめました。自分の身を守るために、ぜひお役立てください。

2019.2.6更新

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自宅周辺や街中、通勤・通学の電車内、女性を狙う者とすれ違う可能性は誰にでも、どこででもあります。自分を守るためには、犯罪の手口を知り、防犯対策をしておくことが欠かせません。
女性を狙った新たな脅威として、たびたび報じられるようになってきた「デート・レイプ・ドラッグ」「突き飛ばし通り魔」「スマホ痴漢」といった、3つの犯罪に注目して、防犯対策をまとめます。

[事例から学ぶ防犯対策(1)]「デート・レイプ・ドラッグ」から身を守るには

「デート・レイプ・ドラッグ」とは、性的暴行を加える目的で飲み物などに混入する薬物のことです。食事をした相手の飲み物などにこっそりと混ぜたり、言葉巧みにだまして飲ませたりして、服用した相手の意識や抵抗力を奪います。市販されている睡眠薬が悪用されるなど卑劣な犯罪です。

【デート・レイプ・ドラッグの被害事例】

・知り合ったばかりの人とカラオケボックスに行き、トイレに立ったあと、残っていた飲み物を飲んだら、意識が朦朧(もうろう)とした状態に。気がつくと服を脱がされていた。
・飲み会の途中で「二日酔いによく効くから」と渡された薬を飲んだ。途中から記憶がなく、性犯罪被害にあって動画や写真をとられた。

実は、デート・レイプ・ドラッグによる性犯罪被害は、海外では以前からあり、世界の女性に「女性の防犯」についてインタビューしたコラムでも、お酒に薬を混ぜて朦朧とさせ、犯罪が行われることも教えてもらっていました。
残念ながら、最近、日本でも女性の被害が拡大しており、内閣府が薬物やアルコールなどを使用した性犯罪・性暴力に関する注意喚起をしています。飲み会や合コンなどの場で、誰の身にも起こりうる身近な犯罪になりつつあるのです。

また、意識が朦朧としているような場合、性犯罪のほか、金品を盗まれる窃盗の被害にあう危険もあるため、注意が必要です。

【デート・レイプ・ドラッグの被害から身を守るために】

信頼関係が築けていない異性とお酒を飲むのは、ひかえたほうが安全です。
どうしても酒席をともにしなくてはならないときは、自分のグラスは手元から離さないこと。席を外して戻ったときは、置いてある飲み物には手をつけないでください。
また、よく知らない人から手渡された飲み物は、絶対に飲まないようにしましょう。飲み物だけでなく、「二日酔いに効く薬だから」などと偽って薬物を飲ませる手口もあります。
リラックスしたお酒の席でも、悪意を持って狙う者がいる可能性があることを忘れないでください。自分の身を守る意識を持つことが大切です。

【もしデート・レイプ・ドラッグの被害にあってしまったら】

デート・レイプ・ドラッグによる被害女性は、被害を主張できずに泣き寝入りしたり、記憶があいまいで被害にあった自覚がなかったりすることが多いそうですが、一刻も早く公的な相談窓口に連絡することが重要です。
警察の性犯罪被害相談窓口「#8103(ハートさん)」や、都道府県ごとに設置されている「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」に電話しましょう。

[事例から学ぶ防犯対策(2)]「突き飛ばし通り魔」への対策

先日、女性ばかりを狙って、正面からぶつかってくる、すれ違いざまに肩をぶつけて歩くといった「突き飛ばし通り魔」が話題になりました。不特定多数が行き交う駅の構内や街中では、通り魔的な犯罪が起きる可能性を否定できません。また、話題になった犯罪を模倣する者が出てくるので警戒が必要です。

【突き飛ばし通り魔の被害事例】

・駅構内、ホームを歩いていたら、正面から歩いてきた人が強くぶつかってきて転倒した。
・通りかかった人からいきなり車道に突き飛ばされた。

【突き飛ばし通り魔の被害から身を守るために】

近づいてくることに気づくことができなければ、突き飛ばし通り魔の被害を避けることは困難です。
スマートフォンを見ながらや、音楽を聞きながら歩くのは絶対にやめましょう。
通学や通勤などで使い慣れた駅や、歩き慣れた道でも、周囲に不審な者がいないか警戒を忘れないでください。目の前や足元を見て歩くのではなく、視野を広く持って少し遠くまで目を配ることが大切です。

【もし突き飛ばし通り魔の被害にあってしまったら】

時間をおかず、すぐに駅係員や警察に相談してください。
駅ホームなどでの「突き飛ばし」は、命を落とす可能性がある危険な犯罪行為です。たとえケガがなくても被害報告を行うことで、再発防止につながります。

[事例から学ぶ防犯対策(3)]「スマホ痴漢」にあわないために

スマートフォンのデータ共有機能を使って、わいせつな画像や不快な画像などを突然、一方的に送りつけるいわゆる「スマホ痴漢」の被害が相次いでいます。逮捕者も出ていますが、画像が誰から送られたかを特定するのは難しく、被害が拡大しているのが現状です。

【「スマホ痴漢」の被害事例】

・電車でスマートフォンを操作していたら、突然、知らない人からわいせつな画像が送られてきた。

【「スマホ痴漢」の被害から身を守るために】

突然、一方的に画像を送りつけられる「スマホ痴漢」。
画像を受け取った被害者には、得体の知れない恐ろしさや気味の悪さが残ります。
悪質な犯罪の被害者になることを避けるためには、スマートフォンを無防備なままにしてはいけません。

まずは、データ共有機能を常に「受信する状態」にしておくのをやめましょう。
共有機能の設定は、連絡先を知っている相手に限定したり、普段は受信をオフにして共有したいときだけ受信する設定にし、共有したらまたオフに戻す、ということを習慣化すれば被害を防ぐことができます。
今一度、ご自身のスマートフォンの設定を確認してください。また、スマートフォンの端末に設定する名前にも工夫が必要です。本名や、持ち主が女性だと推測されるようなネーミングは避けましょう。

* * * * * * * * *

女性を狙う犯罪の手口は、次々とあらわれます。
心を傷つけられたり、嫌な思いをすることがあれば、泣き寝入りをしてはいけません。警察に相談するなど、適切に対応することが大切です。
悲しい思いをしないよう、いつでも毅然とした姿勢で自分の身を守ることができる「防犯女子」を目指してくださいね!

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