第321回 火災の季節に備えて...ひとり暮らしの女性のための「消火器」の知識
いよいよ冬本番。 空気が乾燥し、火災が多くなる季節でもあります。
2019年に発生した建物火災21,003件のうち、約半数にあたる10,784件が住宅火災。(2020年消防庁発表)決して他人事ではありません。
自宅でもしものことが起きたとき、「消火器」があれば、被害を最小限で食い止められるかもしれません。日ごろは消火器に触れる機会があまりありませんが、ぜひ使い方を覚えておきたいものです。
今回は、ひとり暮らしの女性におすすめの「消火器」の選び方や、使い方についてまとめます。
2020.12.16更新
いよいよ冬本番。 空気が乾燥し、火災が多くなる季節でもあります。
2019年に発生した建物火災21,003件のうち、約半数にあたる10,784件が住宅火災。(2020年消防庁発表)決して他人事ではありません。
自宅でもしものことが起きたとき、「消火器」があれば、被害を最小限で食い止められるかもしれません。日ごろは消火器に触れる機会があまりありませんが、ぜひ使い方を覚えておきたいものです。
今回は、ひとり暮らしの女性におすすめの「消火器」の選び方や、使い方についてまとめます。
ひとり暮らしの女性の自宅で、もしも火災が起きたら?
2019年に発生した住宅火災のうち、もっとも多い出火原因は「こんろ」(1,818件:16.9%)。「たばこ」(1,420件:13.2%)と並んで突出して多くなっています。
キッチンで料理をしたり、カセットこんろでお鍋をしたりする方は、特に注意が必要です。
また、これからの季節は暖房器具を使用する方が多いと思います。
電気ストーブやこたつなど、火を使用しない暖房器具でも毎年火災が発生していることを忘れないでください。
家のなかに火の元があり、ちょっとした偶然と不注意が重なれば、火災が起きてしまう可能性はあります。
そのようなときは、落ち着いて対処することが、何よりも大切です。
<火災が発生!初期対応の3原則>
(1)知らせる...まずは119番通報し、声での呼びかけや火災報知器で近隣にも知らせ、助けを求めましょう。
(2)初期消火...消火器、座布団などで火を消す。ただし初期消火ができるのは天井に火が回るまで。天井に火が燃え移ったら消火はあきらめましょう。
(3)避難する...火が燃え広がり、初期消火が困難なら、自分でなんとかしようとしないこと。無理をせず早めに避難しましょう。
空気が乾燥している冬は、火の回りも早くなります。
なるべく早めに出火に気づくためにも、火災報知器が正しく作動しているかどうかも確認しておきましょう。火災報知器は、すべての住宅に設置が義務付けられていますが、電池切れや故障で作動しないことも考えられます。
取扱説明書を見て、定期的に動作確認を行ってくださいね。
ひとり暮らしの女性が「消火器」を選ぶなら?
マンションやアパートなどの集合住宅では、各階の共有部に消火器が備えられているはずですが、初期消火は消火開始までの時間が肝心。キッチンなどで出火するかもしれないことを考慮して、家のなかにも「マイ消火器」を備えておくと安心です。
消火器と言うと、屋外でもよく見かけるどっしりと大きく赤い姿が思い浮かびますが、家庭用のコンパクトな消火器もいろいろあります。
ホームセンターなどで購入できるほか、インターネット通販でも取り扱われているので、手軽に入手できるようになりました。
デザインも多彩で、おしゃれなカラーバリエーションを展開している消火器もあれば、人気キャラクターのかわいいデザインの消火器も。インテリアにこだわりがあるひとり暮らしの女性でも、お部屋の雰囲気にあわせてチョイスできそうです。
また、小規模火災の初期消火用のものなら、片手で扱えるスプレータイプの消火器もあります。
ヘアスプレーなどと同じサイズ感なので、邪魔になりません。
料理をよくする方や喫煙する方は、補助用の消火器として、手元に置いておくと安心です。
消火器は、万が一に備えて、キッチンや食卓のそば、リビングなど、すぐに手が届く場所に設置することが大切。ただし火の手が強いと近づけないことも考えられるので、こんろのすぐ横などは避けた方がいいでしょう。
セコムでは女性でも片手で操作ができる消火器「トマホークマッハⅡ」をご用意しています。
消火器をどこに設置するかをイメージしてから、目的にあわせてお好みのデザインの消火器を選んでみてくださいね。
初期消火が肝心!「消火器」の使い方をマスターしよう
(1)レバーの下側を持って消火器を運ぶ
火災が発生したら消火器の準備。 誤って消火剤を放射しないよう、下のレバーだけを片手で持って運びます。
(2)立ち位置を決め、安全栓を抜く
屋外なら風下、屋内なら火に近づきすぎない安全な位置に立ち、消火活動を行います。火元からは、炎の高さの2~3倍は距離を開けてください。立ち位置が決まったら、安全栓を抜きます。
(3)ノズルを持ち、火元に向ける
ノズルをしっかり持って安定させ、炎ではなく、火元に向けてください。
(4)レバーを握って消火剤を放射
ノズルを火元に向けたまま、レバーを握って消火剤を放射します。消火剤を放射できる時間は数十秒なので、狙いを定めて効率よく消火してください。
「消火器」の使用期限は?廃棄方法は?
消火器の使用期限は、製品によって異なりますが、「製造年から5年」としているメーカーが多いようです。使用期限が記載されている消火器もあります。
自宅にすでに消火器がある方は、使用期限が切れていないか確認しておきましょう。
使用した消火器、あるいは未使用のまま使用期限が過ぎた消火器は、普通ごみとしては処分できません。
一般社団法人日本消火器工業会が運用する「消火器リサイクルシステム」により、回収してリサイクル処理されます。回収窓口は、消火器の販売代理店や防災・防犯事業者などが担っており、直接窓口に持ち込むか、依頼して引き取ってもらいましょう。
「消火器リサイクル推進センター」のホームページで、消火器を処分する方法を詳しく確認できます。
お近くのリサイクル窓口を検索することもできますので、ぜひ調べてみてくださいね。
(スプレー式の消火器や外国製の消火器は「消火器リサイクルシステム」では処分できないので、各自治体のごみ処理ルールにしたがって廃棄しましょう)
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「消火器を備えていれば安心」というわけではなく、いざというとき素早く適切に使用できることが大切。
実際に練習する機会はなかなかないと思いますが、消防署などが消火器の使い方を詳しく紹介する動画などもたくさんアップされているようです。
イメージトレーニングにも役立ちますので、チェックしてみましょう。
まずは、火災を起こさないよう、火気には細心の注意を払うこと。
そして万が一に備えておくこと。
火災の季節も、万事抜かりない防災女子を目指しましょう!
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