ローリングストックで日常防災

▼ 災害用の備蓄が負担になりやすい理由
災害時など非常事態の備えとして、備蓄品の準備が推奨されています。
被災後も自宅で3日～1週間くらい過ごせるのが理想です。

ただ1週間分もの食料や水を災害用にストックするには課題もあります。

・一般住宅では、家族全員分の備蓄品を保管するスペースを確保するのが困難
・定期的に消費期限のチェックが必要で、期限前に入れ替えなくてはならない
・長期保存が可能な防災用食料は食べ慣れないものが多く、敬遠されがち

災害用の非常食は長期保存が可能ですが、それでもいつかは消費期限がやってきます。
備蓄しておいた非常食を消費期限までに食べきることはできるでしょうか。
消費期限を過ぎれば、処分するしかありません。

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▼ 災害の備えを継続するコツは「ローリングストック」
災害用とせず日常のなかで備蓄品を用意する方法としてローリングストックがおすすめです。
ローリングストックとは、普段から食品を多めに購入しておき、食べた分、消費した分を日常的に買いたしていく備蓄方法。
常に一定量の食品が自宅にキープされている状態を維持することが目的です。
消費期限が古いものから食べ、新しいものを買いたすローリングストックなら、備蓄のためだけに大きなスペースを設ける必要はありません。

ローリングストックとして備蓄する食品は、普段から食べ慣れているもの、家族が好きなものを選びましょう。
常温保存が可能で日持ちがするレトルト食品や缶詰、子どもがいるご家庭ではお菓子などもおすすめです。

ひとつのものをたくさん買うより、いろいろな種類のものをバラエティー豊かに用意しておくのがポイント。
あまり備蓄品と考えず、自分や家族が本当に食べたいと思うものを選んでください。
「どれを食べようかな？」「次は何を買おうかな？」と楽しみながら継続できるでしょう。

月に一度くらい、「ストックしたものを食べる日」をつくってみてください。
子どもに「今日はストックから食べたいものを選んでね！」などと盛り上げても良いかもしれません。
楽しみながらも、家族で防災について考えるきっかけにしたいものです。

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▼ 災害時に活躍する「道具」もローリング
カセットコンロやガスボンベは、災害時の調理に欠かせないアイテム。
これらも「使用期限」があるのをご存じでしょうか。

カセットコンロの使用期限の目安は約10年。
カセットボンベの使用期限の目安は約7年。

部品の劣化によりガス漏れ、火災事故などの危険性があります。
カセットコンロは本体に貼られたステッカーに、カセットボンベは缶の裏側に製造年月日が記されているはずです。一度確認しておくことをおすすめします。

カセットコンロやカセットボンベも、使用期限がある消耗品です。
災害用にしまい込んでいては、安全面でもリスクが増します。
食卓の日常で期限が来る前に使用し、新しいものを追加する。
「ローリング」を意識すると良いでしょう。

災害の備えは、日常的に気楽な気持ちで取り組むのがコツ。
ローリングストックを意識しながら買うものを選んだり、使ったりすることを習慣にすれば、自然と防災意識も高まるはずです。

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＜監修＞
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント／防犯設備士／防災士／日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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