台風被害への心構えと対策

▼ 台風の威力が増している！？
近年、日本に接近・上陸する台風の威力が非常に大きくなっています。
原因のひとつと考えられているのが海面水温の上昇です。

台風は暖かい海面からのエネルギー供給を得て生まれ発達しますが、台風が北上するとともに海面水温がさがるので、勢力が徐々に弱まっていく、というのがこれまで一般的でした。
しかし、日本近海の海面水温が高い状態だと、台風にエネルギーが供給され続け、勢力を保ったまま日本に接近するのです。

台風が強ければ、広範にわたって大雨や強風をもたらします。
台風から離れた場所でも大雨による災害が発生する可能性があるということです。

地球温暖化により海面水温の高い状況が続けば、今後もますます台風の勢力が増す可能性は否定できません。

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▼ ハザードマップで住んでいる場所の台風リスクを知る

台風による被害は、土地の特性や立地によっても異なります。
万が一のときどのような事態が起こるのか、その可能性を事前に知っておくことが大切です。
住んでいる地域の災害リスクを把握しておきましょう。

・河川のそば
台風による大雨で急激に流量が増え、短時間のうちに氾濫する可能性もあります。

・海のそば
暴風による高波、高潮などによる災害が発生することが考えられます。

・山林のそばや丘陵地
台風による雨で地盤がゆるみ、土砂崩れや地すべりが起きる可能性があります。

・市街地
都市部では、雨水が下水道の処理能力を超えた途端、内水氾濫が発生します。
道路冠水や浸水を引き起こし、あふれた水でマンホールや側溝のふたが外れることも。
避難時に落下する被害も、過去にはありました。

洪水などの大雨災害は、周辺より低い土地で大きな被害をもたらします。
台風に備え、お住まいの地域のハザードマップを確認しておきましょう。

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▼ 台風が接近したら早めの対策を
台風が大型化すれば、離れた場所でも大雨や暴風が発生することが考えられます。
台風情報で進路や予報円をこまめに確認しつつ、早めに自宅や身の安全を確保してください。

＜早めにすべき自宅の台風対策＞
・排水溝、側溝や雨どいの掃除をして、家の周りの水はけをよくしておく
・風で飛ばされたり倒れたりする可能性がある物干し竿や物干し台、自転車、植木鉢、ゴミ箱などは、室内にしまったり、固定したりしておく
・雨戸やシャッターがある場合は、閉める

台風接近中は、家の周囲を見回ったり、川や海の様子を見に行ったりするのは危険です。
早めに、そして日ごろから台風対策をしておいてください。
不要不急の外出は控えて、安全な場所で台風が過ぎるのを待ちましょう。

河川のそば、山のふもと、低地に住んでいる場合は、早めに避難所に移動することも検討してください。
都市部でも内水氾濫の危険性がありますので、地下やくぼ地などの標高の低い場所への移動は避けましょう。
台風が直撃しているとき、雨風が強まっているときは、避難にも危険がともないます。
少なくとも暗くなってからの避難は避けたほうが安全です。

近年、「経験したことのないような被害」が各地で起きています。
台風接近が報じられたら、早い段階から台風情報に耳を傾け、備えてください。

＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊

＜監修＞
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント／防犯設備士／防災士／日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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