ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > お盆と泥棒 いつもとは違う注意を
今も昔もお盆は「嬉しい夏休み」の時期
残暑お見舞い申し上げます。8月も半ば、お盆の時期になり、お休みの皆さんも多いかと思います。お盆は、古くから日本で行われていた先祖供養の儀式と、盂蘭盆会(うらぼんえ)と呼ばれる仏教行事などが結びついできた、日本独特の祖先をまつる風習です。
この時期になると、テレビアニメなどの子ども向け番組でも、「○○音頭」のようなかたちで、オリジナルの「盆踊り」が、番組のテーマ曲としてよく流れます。ここからも分かるように、もともとは祖先をまつるために踊られていた盆踊りは、もはやその意味は薄れてきているようです。これは盆踊りに限りません。
この時期に行われる夏祭りや、花火大会、町内会のイベントなどの諸行事は、今では祖先をまつるセレモニーとは切り離されて、日本の「夏の風物詩」としての色彩が濃くなっています。
「盆と正月が一緒に来た」という「嬉しさ」を表す日本語の言い回しがありますが、盆と正月は、江戸時代頃より「藪入り(やぶいり)」と呼ばれて、商家などで住み込みで働いていた奉公人が、年2回、親元に帰ることのできる嬉しい休暇の時期でした。
休みの前にお金が動き、それが泥棒のターゲットだった
今でも、「盆暮れ」という表現が残っていますが、昔、藪入りの前は、それまでの半年間、ツケで買った品物の決済、いわゆる「盆暮れ勘定」の期限でした。「盆と正月が一緒に来た」という表現では、嬉しさの他に「忙しさ」を表すこともありますが、これは、「盆暮れ勘定」の集金のために客先を駆けずり回った、当時の商習慣からきています。また、お中元やお歳暮など、日本独特の贈り物の習慣も、「盆暮れ勘定」の時期に合わせて、半年間お世話になった先にお礼の品を贈ることから始まったそうです。
今で言うところのボーナス、勤め人が夏と冬の年2回、月給とは別の形で受け取る形の給金は、江戸時代の商家の主人が、奉公人の「藪入り」の帰省休暇の前に、故郷へのお土産を買うための「お小遣い」を渡した習慣や、「盆暮れ勘定」の一種として、奉公人に対する「半年間の労働」に対するツケ払いの風習が残ったものともいわれています。
江戸時代の盆暮れは、このような形で、多くの現金が動き、経済が活性化する時期でもありました。また、昔は、今のようにいつでもどこでもATMでお金を出し入れできる環境があったわけではないため、泥棒にとってこの盆暮れの時期に活動するのが一番効率が良く、実際に、盗人が暗躍する時期だったとのことです。
いつもと違う「ハレの日」にはいつもとは違う注意を
時は流れ、平成の世となっても、今この時期が「藪入り」すなわち夏休みシーズンであることには変わりがありません。帰省や行楽などで、家を留守にする方々も多くいると思いますが、長期休暇の期間の留守宅は、泥棒にとって恰好のターゲットとなるため注意する必要があります。
民俗学では、日本の人々の生活は「ハレ」と「ケ」の二つからなるとされています。「ハレ」とは、お祭りや、正月、節句、お盆などの季節の行事、そして初宮参りや七五三、元服、冠婚葬祭といった、人の一生における節目の儀式などの「非日常」のことであり、「日常」としての「ケ」と区別されています。そして、これらのハレとケがバランス良く配された「構造」が、日本の生活様式であるとされています。
実際、日本の学校教育のカリキュラムでは、世界と比較して、通常の授業(ケ)に加えて、文化祭や運動会などの多くの行事(ハレ)が組まれているといわれます。ここからも日本人の生活がハレとケの構造を持っていることが分かるかと思います。
お盆の時期は、いろいろな意味で「普段の日常」であるケとは違う「ハレの日」に当たります。そして、ちょうど今時分は、いつもとは違うハレの日であるからこそ、泥棒や事故などのリスクに対し、いつもとは違う注意が必要なのです。
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