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想い出の写真が消えてしまう〜個人データの可用性問題〜

  パソコンにつないで使うことを想定したデジタルカメラ(以下、デジカメ)が世に出たのが15年前。今や単にカメラといえばデジカメのことを指し、一般の人が写真フィルムを使うことはほとんどなくなりました。デジカメでは、撮影した画像の保管に電子的な記録メディアを使っているのはご存じの通りです。

 デジカメの記録メディアには色々な規格があるものの、その内部で、デジタルデータの記憶を司っているのはフラッシュメモリーという電子部品です。フラッシュメモリーはデジカメ用の記録メディアのみならず、パソコン用のUSBメモリなどにも用いられています。

 現代のIT社会で重要な役割を担っているフラッシュメモリーですが、記録したデータに寿命があるため注意が必要です。デジカメで撮影した画像データは、そのまま放っておくとやがて消えてしまうということです。一般の写真の場合、保管に気をつければ、その画像を長く保管することができます。現代に生きる私たちが、幕末の英雄たちの容貌を見ることができるのも、一般の写真の保存性の良さからくるものです。一方、デジカメで撮ってフラッシュメモリーに電子的に記録した画像データは、何もしなかった場合、100年後もそのままの形で残っていることは考えにくいのです。もし、幕末にデジカメがあり、坂本龍馬や勝海舟がそれで写真を撮っていたら、現代に生きる私たちは彼らの顔を見ることができなかったかもしれません。

 フラッシュメモリーに電子的に記録されたデータの保持期間は有限であり、電子部品メーカーの公称値では、書き換えによって劣化していない状態で十年から数十年です。データの書き換え回数や保管環境による寿命劣化の影響も無視できません。情報セキュリティの分野では、情報を必要な時に使えるように保つことが重要な要件の一つとなっています。これを可用性と呼ぶのですが、デジカメでとった画像データは、長期的観点から見た場合、この可用性が必ずしも確保されている状況とは言えません。

 写真や印刷物のような、これまでの記録方式では、情報がインクや銀粒子などの物質のあるなしで記録されていることに加え、情報が記録される紙などのメディアも時間経過などに対して比較的強いため、劣化しにくいのです。一方、デジタル化された最近の情報は、記録メディア内の電子の状態や、ミクロ的な物質の状態変化によって超高密度で記録されることが多く、時間経過や保管環境の影響を大きく受けてしまいます。

 最近のフラッシュメモリーの大幅なローコスト化によって、デジカメのみならず、デジタルビデオカメラの映像記録も、機械的な駆動部が必要なテープなどの磁気メディアではなく、電子的な記録メディアに移ってきています。あなたが撮った生まれたばかりのお子さんの写真やビデオ、なにもせずに放っておくと、その子が成人し、結婚する頃には見られなくなる可能性が大きいのです。

 画像にかぎらず、特に重要なデジタルデータを長期にわたって保管する場合は、特に注意を払って、コストをかけても定期的にバックアップを取っているデータセンターに預ける、個人で保管する場合には、劣化しにくい媒体を選んで数年ごとにバックアップし直すなどの、何らかの対策を考える必要があるのではないかと思います。

セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文

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