今回は、「ダイバーシティ時代の公共空間〜安全安心の視点から」と題して、人々の違いにかかわりなく誰もがあたり前に混ざり合う・共生する社会について、特に公共空間での安全安心をテーマに皆様とアイデアディスカッションさせていただく機会を設定しました。
公共空間で誰もが安全安心・心地よさを享受するための阻害要因をあげながら、それを解決するアイデアを出し合うことが目的です。
「ダイバーシティ時代」とは、ここでは、人々が違いにかかわりなく誰もがあたり前に混ざり合い、共生する社会とその時代感を指しています。すなわち、性別やLGBTなど性別越境、障害、年齢、価値観、人種など多様性を取り込んだ方向へ社会全体が向かいつつある時代のことです。
話題提供では、特にLGBT の事例を採りあげ、LGBTコンサルタントの増原裕子さんからフロアへのインプットをいただきました。ワークショップでは、分野・業界を越えた多様な参加者が、さまざまな視点から「多様な人々のなかで求められる居心地の良さ、そうした社会で生まれる新しい安心感」について思考を巡らせながらアイデアを発掘する議論が展開されました。当たり前に思える日常の空間を見つめなおして、常識を疑いながら課題を見出していくことで、様々な弱者やマイノリティを含めて誰もが共生できる未来に向けた“兆し・気配”に気づきを得る場として盛会に開催することができました。
2016年11月25日(金) 16:00〜19:00
慶應義塾大学大学院修士課程、慶應義塾大学文学部卒業。LGBTコンサルタント / LGBT研修講師。ジュネーブ公館、会計事務所、IT会社勤務を経て起業。2013年、東京ディズニーシーで初の同性結婚式を挙げ国内外で話題に。2015年、渋谷区同性パートナーシップ証明書交付第1号。ダイバーシティ・マネジメントの一環としてのLGBT施策推進支援を手がけている。経営層、管理職、人事担当者、労働組合員等を対象としたLGBT研修の実績多数。著書に『同性婚のリアル』(ポプラ新書,2016年)等4冊がある。『日経ビジネス』等メディア掲載・出演多数。
セコムの研究開発部門を経てセコム科学技術振興財団 事業部長として若手向け研究助成を立案した後、セコム企画部主務。オープンイノベーションを推進。東京大学イノベーションマネジメントスクール修了、東京理科大学大学院総合科学技術経営研究科修了、東京理科大学大学院イノベーション研究科修了。大学や国立研究開発法人、産学官コンソーシアムなどでも活動しながらサービス創造の視座より産学官の連携を推進している。東京理科大学客員研究員、JST専門委員、ものこと双発協議会事務局長。近著は「連携で創造するサービス・イノベーション」(『産学連携学 第12巻2号』産学連携学会,2016年)。
今回は、「ダイバーシティ時代の公共空間〜安全安心の視点から」というテーマにあわせて、LGBTコンサルタントの増原裕子さんに話題提供を行っていただきました。増原さんは2015年11月にはじまった渋谷区の同性パートナーシップ証明書第1号を取得しており、2016年8月に渋谷区と「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定」を締結したセコムとは地域的なご縁があります。
今回は6グループを編成。ワークショップでは、26社/法人36名の参加者が、グループに分かれてそれぞれの視座から議論を行いました。
ワークショップ前半は、「課題探索のワーク」。公共空間で「誰もが」安全安心・心地よさを享受するための、阻害要因、不安や心地わるさ、社会・サービス・プロダクトの課題を挙げながら、取り組むべき問題について徹底的にディスカッションを行いました。
最後の時間帯は、「成果のシェア」。各グループで生まれたアイデアの成果を、参加者全員にシェアする発表会が行われます。投票の結果、参加者からもっとも評価されたグループ全員に、セコムの上田理執行役員企画担当より「セコムの食」を副賞としてお贈りしました。
出てきたたくさんのアイデアは、セコムを含め、参加者それぞれが持ち帰り、各々の視座から新たな“気づき・きっかけ”として活用いただけることと思います。参加者それぞれの分野から多くのアイデアが出され、参加者間で多くの気づきと新しい交流が生まれる場となりました。