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日本人の成人の8割が歯周病といわれています。どうしてこんなに多いのでしょうか?
今回は、紀尾井町プラザクリニック院長の根深研一先生に、原因・症状・予防法など、歯周病全般についてお話をうかがいました。
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一言でいうと、歯茎と歯を支えている骨の病気で、歯槽骨というあごの骨が病気になることです。健康な歯は、この歯槽骨が歯茎の表面から1~3mmのところにあり、歯の根をしっかり支えているのですが、歯周病になると歯槽骨が溶けていき、同時に歯茎もやせていきます。当然ながらそうなると歯を支えられなくなって、歯がグラグラし始め、最後は抜け落ちてしまいます。
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歯を磨いたり物を食べたりしたときに歯から血が出る。朝起きたときに口の中がネバネバする。口臭がある。冷たい水を飲むと歯茎にしみる。歯と歯の間に物が挟まる。
歯茎が腫れる。歯が浮いた感じがして揺れてくる・・・こうした兆候が現れたら歯周病と思って間違いないでしょう。
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歯周病にかかっている人は、35歳以上の人で84%、45歳以上で88%、55歳以上で86%です。65歳以上が少ないのはもう歯がないからです。
ちなみに歯を失う原因の50数%は歯周病で、虫歯よりも多いというデータもあります。どうしてこんなに歯周病が多いかというと、重度になっても痛くならないからです。痛くなければ歯医者にかからない方が多いから、歯がなくなる方も多いのです。
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直接的な原因は歯周病菌という細菌で、この菌によって歯槽骨が吸収されてしまいます。歯周病菌はもともと人の口の中に存在している菌で、その数が増えると歯周病を発症します。菌が増えるのは、たとえば、菌が巣くっている歯石の範囲が拡大する、あるいは唾液の量が少ないと口の中が渇いて菌が繁殖しやすくなる、といったことから起こります。間接的な原因としては、歯の噛み合わせや歯ぎしり、それと生活のリズムも関係があります。このため、歯周病は生活習慣病の一つといわれています。
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歯周病は歯肉炎から始まって、軽度歯周炎、中等度歯周炎、重度歯周炎というように進行していきますが、歯肉炎、つまり歯茎が腫れるという段階では歯槽骨が溶けていないので、歯垢や歯石を取り除けば治ります。しかし、歯周炎になると軽度の段階でも治りません。一度溶けた歯槽骨は元に戻りませんから、現状維持が治療の目的になります。
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歯肉のみ炎症が生じたもので、歯根膜や骨(歯槽骨)までは破壊されていないもの。
歯肉は暗赤色で丸みを帯びて腫れ、歯磨きのときや固いものを食べたときに出血しやすくなります。正しいブラッシングと歯石除去でよくなります。 |
出典)㈱モリタOralインフォーム |
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歯(歯槽骨)が歯根の長さの1/2以上消失したもの。歯槽骨がほとんど無くなり歯根が露出し、最後には抜けてしまいます。 |
出典)㈱モリタOralインフォーム |
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