医療情報サテライト

Vol.41 糖尿病 第3回(全3回)

監修/金塚東先生
治療法について


 治療法は、糖尿病の種類によって異なります。
1型糖尿病は、基本的にはインスリンの注射です。注射をしないと命が維持できないので食事のたびにすることになります。
2型糖尿病は体質、食事、運動に問題があってなる病気なので、食事と運動が非常に大事です。食事については、肥満の人は食事制限が必要ですが、その他の人は「食べ過ぎないように気をつける」こと、「脂肪分を控える」こと、「バランスのいい食事をする」ことです。
 厳しく制限すると長続きしないので、神経質にならないほうがいいでしょう。
 運動療法が有効なのは、運動をすると筋肉へブドウ糖が入り、血糖が下がるからです。運動は行っただけ効果があるので、できるだけ歩くようにしたいですね。あとは手足を伸ばすストレッチ運動をするといいでしょう。
 薬剤療法も有効で多くの患者さんで必要になります。代表的な薬剤には、インスリンの分泌を促進する薬、肝臓で糖をつくるのを抑える薬、太ると脂肪細胞からインスリンの働きを抑制するものが出ますが、その脂肪細胞をいい状態にしてインスリンの働きをよくする薬、食事をすると糖が胃から腸へ行って分解されブドウ糖になって吸収されますが、その吸収を遅らせる薬などがあります。
重症の場合は、インスリンの注射が必要になります。食事、運動、薬を組み合わせて患者さんに合った治療を行います。


 糖尿病にならないよう日頃から食事に気をつけ運動しましょう。そうすればかなり予防できます。また、特に2型糖尿病は症状が現れないので年2回は血糖検査を受けるようにしましょう。その際、予備軍の方でも動脈硬化が進みやすく、現に心臓の病気である冠動脈疾患が多いので、心電図の検査をされるとよいでしょう。もし合併症が発見されても、軽症の段階にきちんと治療すれば進行を阻止できますので、糖尿病も早期発見・早期治療が大事です。


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糖尿病
金塚東先生プロフィール

金塚 東(かねつか あづま) 金塚 東(かねつか あづま)
医療法人社団 誠馨会
千葉中央メディカルセンター
糖尿病センター長
医学博士
日本糖尿病学会専門医
日本糖尿病学会指導医

【略歴】
千葉大学医学部卒業
千葉大学医学部第2内科講師
大日本インキ化学工場 千葉工場診療所所長
千葉中央メディカルセンター 糖尿病センター長
千葉大学医学部非常勤講師
愛媛大学医学部非常勤講師

【所属学会等】
日本内科学会認定医
日本糖尿病学会専門医
日本糖尿病学会指導医
日本糖尿病学会1型糖尿病調査委員会委員