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胆嚢結石の治療法は、大きく内科的治療と外科的治療に分かれます。
内科的治療には、胆石溶解療法、体外衝撃波などがあります。
外科的治療は胆嚢摘出術です。
胆石溶解療法は、効果がある人もいますが限られています。
また、石が溶解するまでに1年ぐらいかかり、完全に溶けてしまうのは18%ぐらいのようです。再発は1年で17%、3年で40%もあり、溶解療法に使用した薬を飲み続けるべきであるという考え方もあります。体外衝撃波(ESWL)も完全消失は約55%、再発率は1年で20%、5年で40%程度といわれています。外科的な治療法である胆嚢摘出術は、前述のとおり、胆嚢結石ができる場所をなくしてしまうという意味で根本的な治療であるといえます。
胆嚢摘出術は、開腹による方法と腹腔鏡を用いた方法があります。
開腹による胆嚢摘出術は1882年のLangenbuch以来120年余りの歴史がある手術です。
みぞおちから右わき腹にかけて15~20cmほどお腹を切って手術を行います(切開の方法はそのほかにみぞおちとへそを結ぶ線上、あるいはその少し右側などいろいろな方法があります)。
開腹手術に対し、わが国では1990年から腹腔鏡下手術が行われるようになりました。
お腹を二酸化炭素のガスで膨らませ、腹腔鏡と呼ばれる細長いまっすぐなカメラをお腹に差込み、お腹の中の様子をテレビモニターに映します。
お腹にさらに数ヶ所の小さな傷をつけ、モニタを見ながら手術器械(手術器具)を差し入れて、お腹の中で従来の開腹手術と同じ内容の手術を行います。
この方法ですと、傷は数か所(4か所)ですが、その大きさは0.5~1cm程度で、1か所は胆嚢を取り出すために少し大きく切りますが、これも3cmぐらいで済みます。
また、手術の後に身体を動かしたり、歩いたり、食事を摂ったりできるようになるまでの時間も開腹手術に比べて早い、というメリットがあります。
つまり腹腔鏡下胆嚢摘出手術は美容的に優れるだけでなく、身体にやさしい手術であるといえます。
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